近所で冷凍ケーキ売ってた。
１個４５０円が、セールで３６０円になってた。
どんなもんかと買ってみた。

解凍して食ったら超マズかった。
売っちゃダメなレベルだった。
俺はキレた。

袋に書いてあった住所調べた。
家から遠くない場所にあるケーキ屋だった。
俺はチャリで突撃した。

店に入るとケーキが売られていた。
入り口近くに、例の冷凍ケーキも売られていた。
女の子の店員が俺に気づき、「いらっしゃいませ～」と言った。

俺はケーキを眺めるフリをして、中の様子を伺った。
白髪のジジイが奥で若い男と後ろを向いて何かしゃべっていた。
女の子の店員は、「お決まりになりましたら声をおかけくださいね～」と言って、離れた。

俺は冷凍ケーキコーナーに近づいた。
セールで売ってたのと同じケーキが山積みになってた。
俺はキレた。

ジジイと若い男に向かって、「くそまずいケーキ、売んなよ！」と言い捨てた。
ダッシュで店を出てチャリに飛び乗った。
ケーキ屋は少し丘の上にあったから、そのまま坂を猛スピードで降りた。

坂を降りて中道をグネグネして、ケーキ屋を振り返ってみた。
２Ｆから双眼鏡で俺を探しているジジイと男が見えた。
全然違う方角を探してた。

切れるタイミングおかしいだろｗｗｗｗｗｗｗ

暫くして近所で、また冷凍ケーキが売ってた。
今度はセールすらしないで４５０円で売っていた。
俺はキレた。

店に行ったら、前と同じ女の子の店員が店番していた。
俺を見て女の子はハッとした。
店には女の子しかいなかった。

俺は冷凍ケーキがクソ不味い、近所にも売られているがありえないという内容を言った。
女の子の店員は引きつった顔で、「少々お待ち下さい」と言った。
俺は待たずに店を出た。

以外に面白い

チャリに乗ろうとしたらかけっぱなしにしていた鍵がなかった。
周りを見渡してもなかった。
俺は走ってその場を離れようとした。

すぐ傍で、「お前か、この間来た奴は」という声がした。
ジジイが俺のチャリの鍵をプラプラさせていた。
俺は観念した。

ジジイが「まあ入れ」というのでケーキ屋の２Ｆ応接間に通された。
女の子の店員が、紅茶とケーキを持ってきた。
俺は階段途中にあった窓から、飛び降りて逃げられるか確かめるのを忘れなかった。

面白い続けろ

「うちの自慢のケーキだから、食べてみてくれ」とジジイが言った。
ミルクレープみたいなケーキだった。
普通に美味かった。

「で、うちのケーキの何がダメだったって？」とジジイが言った。
俺は近所で冷凍ケーキを買ったが死ぬほどマズかったと言った。
あんなもんが４５０円で売ってるのは詐欺に近いということも言った。

ジジイは俺の話を黙って聞いていた。
「冷凍ケーキがダメだったのか、どうりで売れないと思った」みたいなことも言った。
俺は売れないなら早くやめとけよと思った。

ジジイは、俺がクソまずいと感想を言いに来たのが嬉しかったと言った。
今新作のケーキを考えているが、試食して感想を教えてくれと言ってきた。
俺は意味がわからなかった。

店員の女の子が新作ケーキを持ってきた。
新作ケーキは３種類あって、そのうちの１種類は冷凍ケーキだった。
俺はキレた。

キレすぎワロタ

俺は冷凍ケーキがいかに不味いか、実際に食ってみろと言った。
女の子の店員が、「おじいちゃん、私も前から冷凍ケーキは美味しくないと思ってた」と言った。
俺はジジイの孫ならもっと早く言ってやれよと思った。

孫ェ…

ジジイは冷凍ケーキをナウいと思っていたようで、諦めきれない様子だった。
俺は冷凍ケーキがある限り、この店の未来はないだろうというようなことを言った。
ジジイは若いモノの言うことも聞くべきかな～と言った。

普通に俺は解放された。
そのあと何回かジジイのケーキ屋に呼ばれて、試食をした。
新作の３種類のケーキのうち、１種類には俺が命名した。

ジジイは俺が命名したケーキを、お礼だと言ってごっそりくれた。
女の子の店員は結婚でもしたのか、店先に見なくなった。
冷凍ケーキはまだ近所に売ってる。

おわり。
ジジイ結局懲りてねえ

キレるタイミングがおかしすぎるｗｗｗｗｗｗｗｗ

わろた

常に三行な親切心

なにこれ