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    少し昔話をしたくなった・・・その後【完結】

    1: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 15:11:09.15 ID:OOn.iLY0

    俺って二回もスレを立てて、お前らが偶然、発見してるよな・・・
    もしこれが三回続けば・・・奇跡だと思わないか・・・?

    それって何て言うか知ってる・・・?


    暇人乙・・・って言うんだよ・・・ww




    2: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 15:14:35.68 ID:OOn.iLY0

    さて、暇人のタメに私、福田が昔話を語るスレにようこそ
    ここはsage進行で行きましょうかww

    正直ね、もうこっそり進めたいww
    人多すぎたら面倒くさいしww

    さて、前回書けなかった竜也に関するスピンオフですが・・・
    正直、余り書ける物じゃ無かったので、俺の話で竜也が活躍する話を少し書きたいと思います。

    余り面白く無いかもしれませんが・・・まあ適当に見てくださいww


    3: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/04(金) 15:14:59.70 ID:Ge6hTgUo

    キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!


    4: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 15:17:42.68 ID:OOn.iLY0

    >>3
    俺と君とは運命だww

    てかね、まだ書きかけなので、書け次第投下しますねww
    それまで適当にまったりしておいて下さいww

    今日の晩には投下しますね


    5: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/04(金) 15:20:54.93 ID:Ge6hTgUo

    嬉しいっ///

    了解しました
    またーり待ってるよーヽ(´ー`)ノ


    12: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/04(金) 17:18:18.45 ID:JhRh.Nk0

    福ちゃんktkr
    待ってます


    21: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:17:06.87 ID:Jpr2.oSO

    少しスピンオフをしたくなった

    ~あれは消しゴムですか?いいえ違います。あれはハンペンです~


    -2008年12月19日-



    竜也「全然帰って来ないっスね・・・」

    竜也はそう言って缶コーヒーを飲む。

    俺「だな・・・」

    俺はタバコが無性に吸いたかった。
    が、会社の車は禁煙なので吸えない。
    仕方無しにガムを噛む。
    かれこれ車の中で4時間過ごしていた。
    腕時計を見ると時刻は22時を回っている。



    22: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:19:21.63 ID:Jpr2.oSO

    夜が更けて寒さがジワジワと忍び寄る。

    竜也「エンジン掛けたらマズイっすか?寒いんスよ・・・」
    俺「ダメだ。近隣から苦情が来たら最悪だぞ」
    竜也「さむーい・・・」

    竜也は腕を摩る。
    俺達はと有るスーパーマーケットの近くに車を停めて中で待機していた。

    もちろん、既にスーパーの電灯は落とされている。


    23: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:21:22.24 ID:Jpr2.oSO

    竜也「福田さん、よく平気ですね?」
    俺「ああ、俺カイロ持ってるし」

    竜也「ええ???!!!マジっすか!!!!」
    俺「靴とズボンの両方に入れてるww」

    竜也「嫌々!!!俺にも下さいよ!!!」
    俺「ぜってーやだ!!!」
    竜也「恋人の弟にその仕打ちですか!!!!」
    俺「公私はちゃんと分けるのが俺の偉い所ww」

    竜也「てか!!!部下として下さいよ!!!」

    俺と竜也がじゃれていると、目の前のスーパーに一台の車が入って行った。


    24: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:23:09.26 ID:Jpr2.oSO

    俺はそれに気が付くと竜也に言った。

    俺「行くぞ!!」

    そう言って車から降りる。
    竜也も慌ててスーツの前ボタンを閉めて車を降りた。

    俺達は走って、その今入って来た車の前に向かった。
    車からは50歳位の中年が降りてきた。

    俺「専務!!!お世話になってます!!!株式会社○○の福田です!!!」

    俺がそう言って専務の前に行った。
    専務は慌てた様に俺を見ると
    「ああ・・・福田君・・・」
    そう言ってバツの悪そうな表情をする。


    25: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:24:57.43 ID:Jpr2.oSO

    竜也「専務、遅くまでお疲れ様です・・・やっぱ年末はお忙しいですね・・・」

    竜也がそう言った。

    馬鹿野郎なんでそんな事を言うんだ。

    専務はその言葉に頷いて
    「そうなんだよー、忙しくてねー・・・今からまた○○店に行かないといけないんだ・・・せっかく来てくれて申し訳無いんだが・・・また・・・」
    専務はそう言って、スーパーの事務所に小走りで向かう。


    26: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:26:43.06 ID:Jpr2.oSO

    俺はマズイ!!
    そう思い笑いながら言った。

    俺「あwwそうなんですかwwそしたら○○店までご一緒しますよww」

    そう言うと専務の動きが止まり、
    「あ、いや・・・ちょっとゴニョゴニョ・・・」

    なんかゴニョゴニョ言い出しやがった。
    コノヤロー。
    ヤバいな・・・ここで逃げられたら終わる・・・

    俺はそう思ったが、専務は強引に事務所に入り
    「じゃあ」
    と言ってドアを閉めた・・・




    27: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:28:24.66 ID:Jpr2.oSO

    竜也「逃げらましたね・・・」

    車に戻ると竜也が呟く。

    俺は
    「お前が余計な一言を言うからだ馬鹿!!!!」
    と叫びたいのを我慢した。
    そう言う言い方をしたら下は育たない。

    俺「お前がアソコで自分で客と喋ろうとしたのは偉かったよ」
    竜也「あwwそーっすかww」
    俺「だが、『忙しいですよね?』なんて言い方をしたらダメだ。客に逃げ道を作ってしまうからな」

    俺がそう優しく言うと竜也は頷いた。


    28: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:31:23.98 ID:Jpr2.oSO

    すると竜也が言った・・・

    竜也「やっぱ、俺も成長してますかねwwwwww」

    俺は・・・ピキッと来ましたよ。

    そのまま竜也の首を絞めると叫んだ。

    俺「成長してねーよ!!!!てか、俺の話を聞いてないのか!!!!お前は!!!!」
    竜也「苦しい!!!苦しいっす!!!」
    俺「どこにお前が成長したなって話が有ったんだ市ねーーー!!!!!」
    竜也「すみません!!!!すみません!!福田さん、苦しいっす!!!!」


    ・・・サトミさんへ・・・
    アナタの弟は頭がおかしいです・・・




    30: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/04(金) 19:34:19.49 ID:bbByI4so

    竜也おもしろいなww


    29: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:34:12.74 ID:Jpr2.oSO

    -2008年12月20日-

    翌日、俺と竜也は昨日の内容を課長に報告した。
    課長は俺の報告を聞くと溜め息をついた。

    課長「頼むよー・・・アソコは50店舗も有る大口なんだからさー」
    俺「すみません・・・」
    課長「長年付き合って来たのに・・・なんで今更解約なんだ?」
    俺「恐らくは・・・別の業者に横入りされたのかと・・・」

    課長「そもそも、あんな大口客を石原に担当させた、お前の責任だぞ福田」
    俺「・・・すみません・・・」

    俺は謝ったが心の中では
    「テメエも認めただろーが!!!!」
    と・・・叫んでいた。

    権力にヨエーな俺は・・・


    31: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:36:03.33 ID:Jpr2.oSO

    課長「良いか、絶対に解約は認めん!分かったな!」

    課長はそう言って俺らに「席に戻れ」とジェスチャーする。

    嫌々・・・

    俺「待って下さい・・・最悪金額を下げないといけないかも知れません・・・」

    俺がそう言うと課長は首を振る。

    課長「ダメだ。現状のままだ」

    課長はそう言って再び俺らに「席に戻れ」のジェスチャーをした。
    俺はまだ言いたい事が有ったが仕方なく席に戻らずに、そのまま喫煙所に行った。


    32: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:37:54.13 ID:Jpr2.oSO

    竜也「すみません・・・俺のせいで・・・」

    喫煙所で竜也が俺に謝る。
    俺は煙を吐きながら言った。

    俺「まあ、気にすんなww別にお前が何かをした訳じゃ無いよww」
    竜也「・・・すみません・・・」

    俺「ただ・・・」
    竜也「はい」

    俺「何もしなさ過ぎだよ、もう少し客をフォローすべきだったな」
    竜也「・・・すみません・・・」
    俺「が、俺もお前に対して、その辺を注意してなかった。だから結局、これは俺の責任でもある」

    俺はそう言ってタバコを消して考えた。

    さてさて・・・どうするか・・・


    33: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:40:09.95 ID:Jpr2.oSO

    その日、またもや例のスーパーに竜也と向かった。
    だが、専務は不在。
    本当に不在かどうかは怪しいが、そう言われると引き下がるしか無い。

    恐らく他業者から横入りが有るのは間違いない。
    ただ、何故今更清掃会社を変更しようとするのか・・・?
    安さ?
    サービス?

    正直、このスーパーの契約金額は安くは無い。
    だが、俺が担当している頃からも横入りが何度か有ったが、全て断ってくれていた。

    それが・・・今更・・・


    34: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:41:45.29 ID:Jpr2.oSO

    俺はそこまで思った時に運転席に座る竜也を見た。

    やはり・・・コイツが何かをしでかした・・・?

    いや・・・
    竜也は馬鹿だが人に嫌がられる様な奴では無いし、言われた事はキチンとこなす。
    だから最初に竜也から解約の旨を言われた際にも、俺は竜也を疑う事は無かった・・・

    そこまで考えていると俺の私用携帯のメールが鳴った。

    見るとサトミであった。

    「お仕事お疲れ様。ご飯作っておいたから帰って食べてね」

    そんなメールだった。


    35: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:44:52.05 ID:Jpr2.oSO

    そうか・・・今日は土曜日だったな・・・
    サトミはずっと俺の家で待っていてくれたのか・・・

    竜也「福田さん・・・」

    その時、竜也が俺に声をかけた。

    俺「うん?」
    竜也「今日会えなかったら明日も待ち伏せしますか・・・?」
    俺「・・・早めに決着付けないとマズイしな・・・どうした?」
    竜也「あ、いや・・・何でも無いです・・・」

    ふむ。
    俺は頭は良くないが変な所では気が回る。

    俺「彼女が・・・怒ってんのか?」
    竜也「・・・そうなんスよ・・・忙し過ぎるって・・・」

    俺「そうか・・・まあ、明日は日曜日でスーパーも忙しいし・・・明日は休むかww」
    竜也「良いですか???」
    俺「だなww俺も休みたいしねww」
    竜也「良かったー・・・ありがとうございますww」


    竜也は嬉しそうであった・・・


    36: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:47:18.16 ID:Jpr2.oSO

    -2008年12月21日-


    昨日は結局専務が帰って来なかった。
    俺は朝から一人スーパーの前で待っていた。

    竜也にはああ言ったが絶対に時間を置いてはマズイ。
    鉄は熱い内に打て。
    これが営業の鉄則だ。

    サトミには昨晩、竜也に内緒にする様に言った。
    竜也が知ればゆっくり休め無いだろう・・・

    だが、俺はサトミに甘え過ぎだな・・・
    サトミが文句も言わ無いものだから・・・

    サトミに申し訳無い・・・
    そう思いながらスーパーの前で待つ。


    37: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:49:53.98 ID:Jpr2.oSO

    俺は待つのは得意wwだって最愛の彼女を11年も待ったからねww

    あー・・・
    サトミに会いたいなー・・・

    俺がそんな事を考えていると、スーパーの入口付近に一人の老人がトボトボ歩いているのが見えた。

    あれ・・・?
    あれは・・・

    頭の記憶の棚から色々な物を引き出す。
    そして、引き出しから何かを見つけた俺は慌てて車から降りた・・・!

    俺「会長!!!」

    俺の言葉に老人はコチラを見た。
    俺は老人の側まで走って行き頭を下げた。
    この人はこのスーパーの会長であった。

    昔に一度名刺交換をした事が有る・・・
    だが、覚えてくれているのか・・・?


    38: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:52:42.81 ID:Jpr2.oSO

    俺「お世話になってます・・・あの覚えておいでか分からないのですが・・・清掃を・・・」

    俺がそこまで言うと会長は頷いた。

    会長「福田君だね・・・覚えているよ」

    会長はそう言って笑う。
    俺はビックリしたと同時に冷や汗をかいた。
    80歳位の老人なのに、なんちゅう記憶力の良さだ・・・

    流石は一代でこのスーパーを作っただけは有る。


    39: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:54:29.44 ID:Jpr2.oSO

    会長「どうしたの今日は?」

    会長がそう言って微笑む。

    うん・・・なんで・・・?

    俺の中で疑問が浮かんだ。
    もしも会長が清掃業者を変更する事を知っていたら、ここでこんな質問を笑顔ではしない。

    と、言う事は会長は清掃業者を変更する事は知らない・・・
    ここの社長と専務は会長の息子だ。
    会長は一線を退いたと言えども最終決済は今でも会長に有る。
    だが、未だに会長は清掃業者を変更する事を知らない・・


    40: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:56:48.13 ID:Jpr2.oSO

    ・と言う事は・・・

    第一にまだ本決まりでは無い、と言う事・・・
    第二に、これは専務の独断でやっていると言う事・・・

    そこまで考えた俺は会長に微笑みながら言った。

    俺「あ、近くを寄ったものですから・・・ご挨拶にww」

    俺はそう答えた。

    会長「そうか・・・うん、ご苦労様だねww」

    会長はそう言って笑った。
    俺の恋愛の時には働かない頭のコンピューターが一つの質問を出した。

    俺「最近はどうですか?いきなりの不況で皆さん大変だとおっしゃっておられますが・・・」
    会長「厳しいねwwだけど幸いな事にウチはまた店舗を増やすよ・・・そしたらまた清掃を頼むねww」

    その言葉に俺の中の何かが閃きかけていた・・・
    だが、俺の頭は限界だ。
    少しゆっくり整理したい・・・

    俺「そうですかwwありがとうございます!精一杯頑張りますので宜しくお願いします!」

    俺はそれだけ言うと会長と別れた。

    何かが繋がった・・・!





    41: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/04(金) 19:59:51.66 ID:Jpr2.oSO

    とりあえず、書き溜めは以上です
    また続きを書いて投下します

    なんか眠いー

    ノシ


    42: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/04(金) 20:04:30.59 ID:J8G9tDEo

    おつ。ゆっくりやすんでいってね!


    43: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/04(金) 20:35:50.06 ID:orcj5.DO

    福ちゃんお疲れー
    過労で倒れたりするなよ
    休めるときはゆっくりしなっせ
    またーり待ってるからさww


    44: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/04(金) 20:38:42.35 ID:3fDOsmUo

    会ちょーかっこいいなっ!


    46: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/04(金) 21:17:36.39 ID:r0cB64.0

    ふくちゃんキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!

    ゆっくり休んでまた話聞かせてねww


    77: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 07:24:42.11 ID:vosmNASO

    おはよう今回の土曜日と日曜日は土曜日の夜中に立ち会いに行って、後はサトミと過ごしていました
    てか、昨日は夕方の5時から今朝の六時半まで寝てたわww
    寝過ぎでまだ眠いっす

    いや、ちなみに俺の顔はマジで男前じゃ無いです
    チュートリアルの福田に似てると言うのは、会社の事務員さんに言われたからなんですよ
    仕事が出来る云々は社会人に成って三年経験して部下を持てば誰でもこれくらいは出来ますよ

    部下を持ったらね、部下の失敗から学べる事が沢山有るんですよ


    84: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 13:56:28.85 ID:vosmNASO

    その日曜日、俺は家に帰らずにそのまま会社に向かう。
    そしてガランとした事務所の中で一人、デスクでPCに向かい考えていた。

    さっきの会長の言葉に俺の中で解決の糸口が見つかりかけている。
    だが、それが何かが分からない。
    漠然と目の前に糸の束が転がっているだけだった。

    どの糸が解決に向かっているかが分からなかったのだ。


    85: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 13:58:42.24 ID:vosmNASO

    俺は現実逃避からか、いつの間にか2ちゃんを開き、オッパイスレで

    「さっさとうpしろやKs」

    とレスしていた。
    すると携帯にメールが着信。
    サトミからであった。

    「あんまり頑張り過ぎて体を壊したらダメだよ。それと、クリスマスは大丈夫ですか?お仕事優先で私は大丈夫です」

    そんなメールが入っていた。

    そうだ・・・
    クリスマスだ・・・
    初めてサトミと迎えるクリスマス・・・
    俺は一ヶ月前からクリスマスイヴの日にイタリアンレストランを予約していた・・・


    86: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:00:37.81 ID:vosmNASO

    それまでには解決したい・・・
    と、言うかその日はサトミ優先だろjk。

    俺はオッパイスレに少し未練を感じつつスレを閉じた。
    そしてサトミに返信。

    「大丈夫!その日はサトミ優先です」

    そう返事する。
    そして喫煙所に向かい頭を落ち着かせた・・・


    なんで専務は独断で業者を変えようとしているんだろう・・・?
    業者からのバックマージン・・・?


    87: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:02:16.69 ID:vosmNASO

    いや・・・
    それは考えにくい・・・

    あそこの社長は専務の兄だが、長男と言うだけで社長をしている。
    殆ど舵を取っているのは専務だ。
    そんな人がバックマージンを受け取るとは考えにくい・・・


    そうすると、考えられるのは一つだけ・・・






    88: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:05:22.34 ID:vosmNASO

    -2008年12月22日-


    翌日、俺は出勤した竜也を捕まえて喫煙所に向かった。

    俺「お前、あそこのスーパーで仲良い人いる?」
    竜也「仲良い人・・・ですか・・・?」
    俺「そう、例えば事務員の女の子とかさ・・・」
    竜也「いや・・・特別仲良い人は・・・なんでですか?」

    竜也が大きい目をパチパチと瞬かせる。
    コイツはよく見ればサトミに似ている。

    俺「いや、実は新しい店舗を作るらしいんだよ・・・そこの情報が欲しいんだよ・・・
    出来れば経理の人で口が軽そうな女の子が良いと思うんだが・・・」


    89: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:07:19.40 ID:vosmNASO

    俺は基本、女の人はいくつに成っても苦手であった。
    どうしても格好を付けてしまうので上手く喋れない。
    あしらえない。

    だが竜也ならイケメンだから経理の女の子とも仲が良いかと思ったのだ。だけど・・・
    まあ・・・自分が出来ない事を部下にさせるのは・・・

    俺がそう思っていると竜也が言った。

    竜也「じゃあ、経理のAさんに聞いてみましょうか?」

    はい?
    経理のAさんは古株のオバサンだ。
    いつもムスッとしていて怖いので俺は苦手だった。


    90: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:10:25.20 ID:vosmNASO

    俺「え・・・?お前Aさんと・・・話出来るの?」
    竜也「お昼ご飯を二回位奢って貰いましたww」

    はあああああああああああ??????!!!!!

    俺「なんで???え???マジで???」
    竜也「え?他の女の人ともお昼ご飯行ったり、前は飲みに行きましたよ?」

    竜也はキョトンとした顔で言う。

    俺「お前、さっき仲良い人いないって言ったじゃん!!!」


    91: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:12:22.82 ID:vosmNASO

    竜也「あwwwwそれは特別に仲良い人って事ですよwwwwみんなと平等に仲良いっすよwwww」

    なんだ?????
    なんだこのイケメンは?????
    俺は何故かムカついて竜也の太ももに膝を何回か入れる。

    竜也「痛い、痛い!!!な、何するんスかあ!!!」
    俺「とにかく、あれだ・・・Aさんに聞いて来い・・・」
    竜也「分かりました!!!」
    俺「てかさ・・・」
    竜也「え??」
    俺「・・なんでもねーよ!早く行け!!!!」」

    本当は竜也に、どうやったらそんなに女の人に人気が出るか聞きたかったが俺のプライドが邪魔をした。

    竜也にAさんに聞くポイントを控えて持って行かせた。


    92: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:13:57.01 ID:vosmNASO

    その日は竜也が例のスーパーに行ったので、俺は竜也の客を対応したりと中々大変な日だった覚えがある。

    気が付くと竜也からの連絡も無いまま夕方に成っていた。
    アイツ・・・何をしているんだ?
    時間が掛かり過ぎだし、連絡をして来いよ・・・

    竜也にメールを送るが返って来ない。
    事故とかしてないよな?
    俺が心配になり電話をしようとした時に調度竜也が帰って来た。


    94: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:21:17.01 ID:vosmNASO

    竜也「福田さん、お疲れっす」
    俺「お前さ、一本位連絡入れろよ・・・」
    竜也「あ、すみません電源切ってましたよ、俺女の人を落とす時は電話を切るんですよ・・・」

    ちょっと待て。
    コイツ・・・まさか・・・

    俺は急いで竜也の首根っこを持ち事務所から喫煙所に連れていく。

    竜也「痛いっすよ!」

    俺は竜也を喫煙所の自販機の隅に押し込んだ。

    俺「お前・・・まさか・・・やったのか・・・?」
    竜也「はいwwwwww」

    俺は目の前が一瞬真っ暗に成った・・・
    ヤバい・・・
    コイツ・・・洒落に成らん事をした・・・



    95: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:22:47.93 ID:vosmNASO

    俺がよろけてしゃがみ込む寸前に竜也が笑う。

    竜也「冗談っすよwwやる訳無いでしょww」
    俺「お前はやりかねんわああああ!!!!」

    俺はホッとしつつも一抹の不安を覚える。

    竜也「いや、昼飯誘ったらAさんが早退しまして・・・wwそのまま喫茶店でずっと喋ってましたよ」
    俺「ホントに・・・喋ってただけか・・・?しゃぶっては貰って無いだろうな・・・」
    竜也「え?」
    俺「いや、なんでも無い・・・で?どうだった?」



    96: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:23:57.41 ID:vosmNASO

    竜也「あ、やっぱり福田さんの思った通りっすよ・・・新店舗設営は専務が推進してるみたいです」
    俺「やっぱりか・・・で、場所は?」
    竜也「○○台です」
    俺「高そうだな」

    竜也「実際に高いみたいですよ、会長とかが本当に大丈夫か?って言ってるみたいです」
    俺「恐らく当初は大丈夫だったが・・・段々計算が狂って来た・・・」

    竜也「そうです、そこにC社が営業に来たそうです・・・で、大幅なコスト削減の提案が在ったようですね」


    97: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:25:10.57 ID:vosmNASO

    俺「C社か・・・クソッ・・・」

    C社はウチの超ライバル会社だった。

    俺「見積もりは・・・分かるか?」

    多分、そこまでは分からんだろうな・・・
    俺がそう思っていると竜也がニヤリッと笑った。

    竜也「それが教えて貰いましたよwwワザワザAさんが用事を作って会社に立ち寄って専務の机からコピーしてくれましたww」

    マジで?
    コイツ、本当にAさんと肉体関係が有るんじゃ無いか?


    98: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:26:43.91 ID:vosmNASO

    俺がそう思っていると竜也は胸ポケットから紙を取り出す。
    C社の見積もりだった。

    俺「でかした!!!!竜也!!!!」
    竜也「お陰で、Aさんと年末に飲みに行く事に成りましたよ・・・・」
    俺「付き合えば?」
    竜也「絶対に嫌ですよ!!!!てか、その時は福田さんも来て下さいよ!!!!」

    俺は竜也の言葉を無視して見積もりを見た。
    C社はウチの半額の値段を出している。
    これだけ浮けば充分に新店舗のローンを支払えるだろう・・・

    俺「さて・・・後はこれをどうやって切り崩すか、が問題だねー」

    竜也「てか、マジで来て下さいよ福田さん」
    俺「・・・・」

    竜也「ちょ!マジで!!!」
    俺「・・・・」
    竜也「福田さん、なんで寝てるんですか!!!!」

    俺は次なる作戦を考えていた・・・


    99: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/07(月) 14:27:37.00 ID:vosmNASO

    とりあえず以上です
    続きはまた書きます!

    さっきから電話ウザい


    100: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/07(月) 14:28:25.55 ID:aIpOY2wo

    福田乙!

    仕事頑張れ~


    105: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/07(月) 21:00:06.93 ID:CrDhqTAo

    竜也すげーな
    さすが サトミの弟


    106: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/07(月) 22:05:11.83 ID:Onjc7c2o

    福ちゃん乙
    期待して待ってるわー


    111: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/08(火) 19:26:41.18 ID:Gs8pBISO

    部長に怒鳴られたww
    でも、気にしないww

    とりあえず書けた分だけ投下しまっす


    112: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/08(火) 19:28:43.53 ID:Gs8pBISO

    その日の夜に俺は帰ろうとする課長を止めて、竜也の情報を話した。

    俺「・・ですから、ウチも値段を下げるべきです!」

    俺がそう言うと課長は渋い顔で首を横に振る。

    課長「ダメだ。値段は下げられん」
    俺「じゃあ、どうするんですか!このままじゃ確実に取られますよ!」
    課長「そこは・・・何とかしろ・・・」

    はあああああ?????!!!!!
    俺は手に有ったクリップを伸ばして課長の目を突こうかと思った。


    113: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/08(火) 19:30:35.04 ID:Gs8pBISO

    隣に立つ竜也が課長を睨んでいた。

    課長「良いか?何故値段を下げる?値段を下げて採算が合うか?」

    そりゃアンタの言う通りだよ。

    俺「いや、でも解約されたら全部終わりじゃ無いですか」
    課長「頭を使え・・・値段を下げるのは最終手段だろうが」

    課長はそう言って立ち上がり俺を見た。

    課長「みんな・・・こう言う修羅場を潜り抜けて上に上がるんだ・・・まあ・・・頑張れ!お前も踏ん張り所だぞ!」


    114: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/08(火) 19:32:19.25 ID:Gs8pBISO

    俺は課長の言葉に下を向く。
    課長はそれだけ言ってコートを羽織ると「じゃあ」と言って帰った。

    俺は竜也と顔を見合わせて溜め息をついた。
    そして、二人で席に戻る。
    席に座り俺が何も考えずにPCの画面を眺めていると松平が事務所に戻って来た。

    松平「お疲れ様です・・・暗いですね・・・」

    俺らを見るなり松平はそう言う。

    俺「お疲れ・・・そりゃ暗くも成るよ・・・」
    松平「例のスーパーの件ですか?」


    115: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/08(火) 19:34:10.36 ID:Gs8pBISO

    俺「そうなんだよ・・・もう、何も思い浮かばん・・・」
    竜也「いや・・・実はさー」

    竜也が松平にあらましを説明した。
    松平は聞き終わると
    「んー・・・」
    と呟き俺をキリッとした表情で見る。

    松平「それって・・・逆を返せば採算が合えば良いんじゃ無いですか・・・?」

    なんだと。
    俺は松平を黙って見つめた後に、そっと右手を差し出した。

    俺「ナイスだ・・・松平・・・」

    俺は松平に負けないキリッとした表情を作っていた・・・


    116: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/08(火) 19:36:19.74 ID:Gs8pBISO

    俺と竜也はそのまま、係長の所に行く。
    係長は気弱な人で仕事は出来ないが良い人だ。

    俺「係長♪」

    俺が笑顔でそう呼ぶと係長はビクッとした。
    係長は無視してパソコンに向かい作業を続ける。

    恐らく何かを感じたのだろう。
    俺は竜也に合図をした。

    竜也は係長の肩をポンと叩き
    「かかりちょー♪」
    と再び呼ぶ。

    係長はビクッとして立ち上がると
    「あ・・・俺、現場に行く時間だ・・・」
    そう呟いた。


    117: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/08(火) 19:37:53.91 ID:Gs8pBISO

    俺はそれを無視して係長の肩に腕を回す。

    俺「かかりちょー・・・さっきの課長の話しを聞いてくれました?」
    係長「へ・・・?何??」

    お前はすぐ目の前に居ただろうが。

    俺「あら?聞いて無かったですか?じゃあ今から全部説明しますね」
    係長「あ・・・いや、俺は現場に行かないと・・・」
    俺「大丈夫。現場は石原に行かせますからwwなあ竜也?」
    竜也「もちろんww」

    竜也が頷く。


    118: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/08(火) 19:39:06.87 ID:Gs8pBISO

    係長は覚悟を決めた様にうなだれた。

    係長「何だよ・・・ややこしい話しはダメだぞ・・・」
    俺「あww全然ややこしく無いですよwwちょっと顧客管理データを見たいだけなので、メインパソコンにパスワードを入れて貰うだけですww」

    俺がそう言うと係長はギョッとした表情を作る。

    係長「ダメだよ!!ちゃんと課長が居る時に一件づつ申請を出してよ!!」

    ウゼエなコイツは。


    119: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/08(火) 19:40:22.81 ID:Gs8pBISO

    それが面倒臭いし、一件、一件見てられないし、何より明日は祝日だし・・・

    ああもう面倒臭い!

    俺「まあまあww」

    俺はそう言うと竜也と共に係長をメインのパソコンまで引っ張り、席に座らせた。

    係長「いや、ダメだって!!!」

    俺は係長の耳元で囁く。

    俺「昔・・・僕は係長の代わりにクレームを抑えましたよね・・・」

    俺の言葉に係長がギョッとする。


    120: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/08(火) 19:41:54.38 ID:Gs8pBISO

    俺「あの日は・・・係長、子供が風邪をひいた・・・って言ってましたけど・・・」

    係長の顔色が悪く成っていた。

    俺「まあwwこれ以上は言わないっスwwww」

    俺がそう言うと係長は溜め息をつきながらパソコンを立ち上げた。

    俺「ありがとうございます!!係長!!!」
    係長「・・・なあ、福田って俺の事を上司だと思ってる?本当に・・・?」

    俺は係長の顔を見ると微笑んだ。

    俺「当たり前じゃ無いですかww係長にはどこまででも付いて行きますよww」

    俺がそう言うと係長は溜め息をつきながら自席に戻った。

    いや、ホントに嫌な人じゃ無いので嫌いじゃ無い。
    てか、使いやすい上司だ。


    121: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/08(火) 19:43:09.91 ID:Gs8pBISO

    書き溜めは以上です!
    今から部長に「飲みに行く」と言う名前のお説教をされに行って来ます!

    ノシ


    123: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/08(火) 19:55:28.11 ID:n4cW6oQ0

    説教かよwwwwww

    でも頑張ってる証拠だよなwwwwwwww


    124: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/08(火) 20:38:21.62 ID:6g102bQ0

    がんばwwwwwwまってるぜwwwwwwwwww


    127: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/08(火) 21:39:24.42 ID:Q.fx3wAO

    お説教乙ww
    ゆっくりでいいから続き待ってるぜwwwwww


    143: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 13:51:54.22 ID:FFZkgb.0

    さてと、仕事する振りでもするか
    投下いたします


    144: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 13:54:23.68 ID:FFZkgb.0

    不安げに俺らを見つめる係長を尻目に俺はパソコンに向かった。

    俺「良いか、とにかく採算を合わすのに必要な物はなんだ?」

    俺がパソコンに向かいながら竜也に聞く。

    竜也「ウチ自体のコストの削減です」
    俺「コストを下げる為には?」
    竜也「ワックス代とか・・・の削減・・・?」
    俺「それも、そうだが、それ以上に掛かっているコストがある」


    145: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 13:55:17.95 ID:FFZkgb.0

    俺の質問に竜也が考える。

    竜也「人件費・・・?」
    俺「正解!」

    俺はこのスーパーに掛かっている人件費をデータから検出する。

    俺「これを大幅に削減する」
    竜也「どうやってですか?」
    俺「まずはC社の見積もりを見ろ・・・この見積もりは床清掃のみの見積もりだ」


    146: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 13:56:21.36 ID:FFZkgb.0

    竜也「そうですね」
    俺「て、事はさ、ウチが今やっているエアコンフィルターやバックヤード、駐車場の清掃を同じように無くすんだ」

    竜也「なるほど、そしたら人間と時間を短縮出来ますね」
    俺「そう。そして尚且つ今はスーパーの定休日昼間しか清掃に入れないが、これを別の日にずらして夜間に入れる様にする・・・そして、別の現場と組み合わせて人件費を削減するんだよ」


    147: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 13:57:44.92 ID:FFZkgb.0

    竜也「なるほど・・・それの組み合わせを考えて行けば良いんですね?じゃあ下請けには絶対に振れないですよね?」
    俺「いや、そうとは限らない、例えばこの現場は下請けに振っている・・・この現場はこのスーパーの○○店に近い、そしたらこれも一緒に行って貰うんだよ、少しの金額でね」

    竜也「なんかパズルみたいですね・・・」
    俺「そうだ、取り合えず組み合わせを考えろ、そして採算が合うように設定をしろ」
    竜也「大変だこりゃ・・・」


    148: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 13:58:51.03 ID:FFZkgb.0

    俺「係長!」

    俺はぼんやりと俺らを見ている係長を呼んだ。

    俺「このデータプリントアウトしますね」
    係長「え??駄目だよ・・・」
    俺「分かりました、じゃあ明日は休みですけど10時に事務所に出勤でお願いします」

    係長「え???」
    俺「だって、今日はもう遅いので明日まとめてやりますから・・・来て貰わないとパソコン開けれ無いじゃないですか」

    俺がそう言うと係長は泣きそうな顔をした。

    係長「え・・・明後日じゃ・・・だめ・・・?」
    俺「だめ」

    係長は半泣きの顔で何かをブツブツ言っていたが、最終的には渋々OKした。
    少し可哀相だが部下が仕事したがっているから仕方ないでしょ。


    149: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 13:59:44.80 ID:FFZkgb.0

    -2008年12月23日-

    俺は朝から組み合わせと金額の計算を竜也と行なっていた。
    係長は俺らが来る前に出勤してくれてパソコンを開いて待っててくれていた。

    しかもコーヒーまで買ってくれていたww
    良い人だww

    せっかくの天皇陛下の誕生日を俺と竜也は計算と見積もりの作成と、稟議書の作成に追われた。


    150: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:00:35.63 ID:FFZkgb.0

    途中私服の松平が飲み物とお菓子を持って事務所に来てくれる。

    それから松平も手伝ってくれて夜までに見積書と稟議書を完成させた。

    俺はその間にウチの会社の作業チームの各チーフに電話をして、例のスーパーを他の現場と併せて行って貰う事に了承して貰う。

    そして、下請け業者にも、限りなく安い金額で例のスーパーに他の現場と併せて行って貰う事を了承して貰った。


    151: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:01:41.69 ID:FFZkgb.0

    全てが終わった時には時刻は20時を回っていた。

    係長はひたすら暇つぶしにネットを見ていたせいか「頭が痛い」と呟いていた。

    俺は全部を終えて竜也、松平、係長を連れて飯を食いに行ったのだった・・・


    係長の奢りで・・・





    152: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:02:39.94 ID:FFZkgb.0

    -2008年12月24日-

    その日は朝から課長が到着するや否や俺は課長の元に行く。

    俺「課長」

    課長は俺をチラリと見た。
    俺はそのまま稟議書と見積書を課長に出す。
    ドキドキして来た。
    果たして課長はこの稟議書と見積書を通してくれるのか・・・

    分からない。
    昨晩から不安であった。


    153: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:03:32.44 ID:FFZkgb.0

    頭ごなしに、「ふざけるな」とか「だから値段は下げれない!」
    と怒鳴られるのがオチかと不安であった。

    だが、せっかく係長や松平まで手伝ってくれた物だ。
    何とか通したい・・・
    課長がジッと俺の見積もりと稟議書を見ている。


    154: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:04:28.19 ID:FFZkgb.0

    竜也も隣で緊張した顔を浮かべていた。
    課長は見終わると「ふん」と鼻で笑い、自分の机の引き出しを開けた。

    そして・・・
    課長はニヤリと笑うと


    「とっとと蹴りをつけて来い!!!」


    そう言って笑顔で印鑑を押してくれた。

    俺と竜也は顔を見合わせて頭を下げた。

    俺「ありがとうございます!!!」

    そう言って俺らはスーパーに向かう。
    その前に松平と係長には一応お礼を言いました。


    155: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:05:28.78 ID:FFZkgb.0

    俺らはスーパーに到着して専務を探すが見つからない。
    他の店舗にも顔を出したが専務が不在との事だった。
    俺らは焦った。

    竜也「てか・・・またもや張り込みっすか・・・」
    俺「だな・・・」

    俺らは事務所の有る本店の前で専務を待つ。
    時刻はどんどん過ぎて行き、いつの間にか時計の針は17時を差していた。

    竜也がそわそわしている。
    分かっている。

    恐らくはクリスマスイブの今日は彼女と過ごす約束をしているのだろう。


    156: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:06:22.35 ID:FFZkgb.0

    俺も不安に成って来た。
    サトミとの約束を果たせるのかが不安だった。

    レストランの予約は19:30だった。
    今から話をして車でそのまま向かえば間に合わない事は・・・無いと思う・・・

    が、本当に専務は来るのか・・・
    18時まで待って来なければ今日は帰ろう・・・

    そしてサトミの元に向かおう・・・


    157: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:08:00.50 ID:FFZkgb.0

    そう決めた・・・

    が、竜也の予定はどうなんだろう?

    俺「竜也・・・」
    竜也「はい?」
    俺「何時に待ち合わせだ?」
    竜也「え?」
    俺「彼女とだ・・・」
    竜也「・・・19時・・・です・・・」

    俺は溜息をついた。
    そのまま車のエンジンを掛けた。

    そして、車を走らせる。

    竜也「どこに行くんですか・・・?」


    158: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:08:54.85 ID:FFZkgb.0

    俺「駅・・・お前は降りろ」
    竜也「え???何でですか??」
    俺「良いから・・・別に2人で行く事はねーよ」
    竜也「嫌ですよ!!俺も待ちますよ!!!」

    俺「うるせー、良いから彼女の所に行け!!お前、結婚したい彼女なんだろ??じゃあ大切にしろい」

    俺がそう言うと竜也は黙った。


    159: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:09:54.17 ID:FFZkgb.0

    駅に到着して俺は竜也を降ろす。

    竜也「・・・すみません・・・」
    俺「まあ、お前が部下を持った時は同じ事を部下にしてやれww」

    竜也「・・・本当にありがとうございます・・・」
    俺「良いよwwじゃあな!」

    俺はそのままスーパーに戻った。
    そして専務を待つ。


    ・・・時刻は18時を回った・・・




    160: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:11:01.00 ID:FFZkgb.0

    俺は「ふう・・・」と溜息をついて思った。

    さて・・・今日はもう帰るか・・・

    俺がそう思った時だった・・・

    目の前に見覚えの有る車が入ってきた・・・ 

    ・・・専務だ・・・!

    俺は慌てて車を降りた。
    そして専務の元に走る・・・


    161: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:11:53.94 ID:FFZkgb.0

    俺「専務!!」

    俺がそう呼んだ時、専務は車を降りる瞬間だった。
    専務は俺に気が付くと、またバツの悪そうな顔をする。

    俺は逃げられない様に一気に捲くし立てた。

    俺「専務!!少しだけお時間を下さい!!弊社の値段設定を少し変更させて頂きたいと思いお伺い致しました!!!」


    162: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:13:26.72 ID:FFZkgb.0

    専務は俺の言葉に動きを止めて俺を見た。

    俺「・・・お願い致します・・・本当に少しだけお時間を・・・」

    俺の懇願する様な表情に専務は黙って頷いた・・・


    俺は事務所の応接室に通して貰った後に、専務が戻ってくるのを待った。
    専務が「少し作業するから待ってて欲しい」と言われたからだ。

    俺はその間にサトミにメールをする。
    「ごめん、まだ客先で少し遅れる。本当にごめん」
    そうメールした。

    サトミからは「分かりました。お仕事頑張って」と返事が来た。


    163: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:14:18.85 ID:FFZkgb.0

    俺はサトミに申し訳無い気持ちで一杯に成りながらも、目の前の商談に集中しようと、話す順番をロールプレイングする。

    しばらくした後に専務が現れた。

    専務「お待たせして申し訳ない・・・」

    そう言って専務が席につく。
    俺はのっけから頭を下げた。


    164: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:16:38.92 ID:FFZkgb.0

    俺「専務、突然お時間を頂きまして誠に申し訳ございません・・・そして、今回、解約と仰せられた経緯は分かりませんが・・・もし弊社の方としましてはサービスに関しましては最高峰の物と自負しております!」

    そこまで言うと専務は黙って頷いた。


    俺「ですが、お値段に関しましては正直に申しますと、まだ企業努力が足りていませんでした・・・そちらを今回改善させて頂き、更により良い関係を築いていければと思い本日は参りました・・・実際に専務・・・このお話はどうでしょう?専務がご解約を検討されているのは・・・サービス面ですか?それとも値段ですが?」


    165: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:17:45.61 ID:FFZkgb.0

    俺はそう言って提案書を専務に見せる。
    専務は少し迷って応えた。

    専務「・・・値段だな・・・」

    俺はその答えに満足して提案書の説明をする。
    専務は黙って俺の説明を聞いていた。

    そして見積もりを提出した時に専務の顔が少し変化した。・・・

    行ける!!
    俺はそう思い一気に捲くし立てた。


    166: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:18:50.58 ID:FFZkgb.0

    俺「今までの値段とは大幅に違います・・・ですが、それに伴いサービスも落ちる形には成りますが・・・決して他社と見比べて頂いても遜色の無い内容かと思います・・・!」

    専務は黙って俺の見積もりを見ていた。
    C社が提出している見積もりはエアコンフィルター洗浄等の値段が含まれて居ない。

    俺が提出した見積もりも、それは入っていない。
    だが、注釈付きで「店舗側の要望が有ればその都度実施する」との注釈を付けている。

    勿論「但し毎回では無い」との注釈も付けている。


    さて・・・専務の反応は・・・



    167: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:19:41.57 ID:FFZkgb.0

    俺がジッと専務の顔を見る。

    専務は俺から何かを話して欲しそうだが、俺は敢えて黙った。
    ここは無言で専務を追い詰めるべきだ・・・

    専務は少し唸った後に言葉を発した。

    専務「・・・分かりました・・・少し検討しましょう・・・」

    専務がそう呟く。

    はああああああ?????
    逃がすか!!!!


    168: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:20:33.20 ID:FFZkgb.0

    俺「専務・・・内容はご理解頂けましたか・・・?」
    専務「ああ・・・」
    俺「今回の弊社のお見積もりの期日の日付をご覧下さい」

    専務が期日の日付を確認する。
    そして目を見開いた。

    俺「そうです、期日は本日付です・・・通常は勿論期日に余裕を持たせます」

    俺がそこまで言うと専務は俺を見る。


    169: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:21:26.66 ID:FFZkgb.0

    俺「ですが・・・現在、御社と弊社は契約関係にございます!!!値段を上げる交渉でしたら、勿論ご検討の余地が有るでしょう・・・」

    俺はそこまで言って手をテーブルの上に置いた。
    専務が俺の目を見た。


    俺「先程、専務は弊社の値段が問題と仰られました!!今回弊社としては最高額の値引きをしております!!!今日、この日以外ではこの金額でのご契約は致しません!!!」




    170: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:22:22.10 ID:FFZkgb.0

    専務はジッと俺を見つめている。


    俺「専務・・・ご検討されるので有れば・・・ご決断下さい!!!!!!」


    俺がそう叫ぶと専務は「ふう・・・」と一呼吸付き、頷いた・・・


    専務「・・・宜しく・・・お願い致します・・・」






    171: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:23:58.37 ID:FFZkgb.0

    その一言を聞いた瞬間に俺は全身の力が抜けた・・・

    良かった・・・
    潜り抜けた・・・

    専務は俺を見てニヤリと笑う。
    そして最高の褒め言葉を言ってくれた・・・

    専務「福田君には・・・負けたよww」

    俺も笑った。


    172: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:25:06.08 ID:FFZkgb.0

    スーパーを出た時に時間を確認する。
    時刻は20時半を回っていた。
    俺は全身から冷や汗が噴き出す。

    ヤバい・・・俺は急いでサトミに電話をする。

    が・・・出ない・・・うは・・・怒ってんのかな・・・

    すぐにメールをした。

    「ゴメン!!!今終わった本当にゴメン!!!今からレストランに行く!!!」

    それだけ送ると俺は車を急発進させた。


    173: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:26:05.35 ID:FFZkgb.0

    信号で止まる度にイライラした。
    早く変われよ!!!
    そして細かく車線変更を繰り返す。
    そんな事をしても危ないだけなのに、あの時の焦りと緊迫感は異常だねー。

    そうこうしているとサトミからメールが来た。

    「今はレストランの前で凍えています(怒りマーク)」

    きゃあああああああああああああ!!!!!!!!


    174: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:26:57.93 ID:FFZkgb.0

    俺は車を運転しながら土下座をすると言うミラクルを起こそうかと思った。

    が、すぐにメールが来た。

    「冗談です。お仕事お疲れ様。余り慌てずに気を付けて来てね」

    俺はホッとするも、今度はサトミに対しての申し訳なさが沸き上がって来る。


    175: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:27:50.52 ID:FFZkgb.0

    店に到着して車を近くのパーキングに停めて走ってサトミの元に向かう・・・

    店の前に到着すると、サトミの姿は無かった・・・
    中か・・・

    俺が中に入ろうとしたら「どーん!」と言う声と共に後ろから背中を押された。

    振り返るとマフラーを首に巻いたサトミが笑顔で立っている。


    176: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:28:41.32 ID:FFZkgb.0

    俺「ゴメン・・・本当に遅くなった」
    サトミ「本当に遅く成ったねー・・コンビニの雑誌を全部読んじゃったよww」

    サトミが少し膨れっ面で俺を見る。

    俺「店は・・・どうしたの・・・」
    サトミ「もうキャンセルしたよー」

    うわ・・・俺はイロイロ駄目な奴だ・・・


    177: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:29:42.31 ID:FFZkgb.0

    俺が完全に凹んでいると・・・

    サトミ「で?」
    俺「・・・え?」
    サトミ「どうだったの?お仕事は?」
    俺「ああ・・・うん・・・上手く行ったよ・・・」

    俺がそう言うとサトミは頷いた。

    サトミ「なら許すww」

    そう言って笑顔に成った。


    178: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:31:17.15 ID:FFZkgb.0

    俺「本当に・・・ゴメン・・・」
    サトミ「良いよww竜也を先に帰らせたんでしょ?竜也から聞いた」
    俺「ああ・・・うん・・・」

    ヤバい怒ってんのか?
    サトミは俺の手を握るとニコッと笑った・・・


    サトミ「そう言う所が・・・好き・・・ww」


    その一言が最高のクリスマスプレゼントだったよww


    179: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:33:16.12 ID:FFZkgb.0

    俺「どうする・・・今から・・・」
    サトミ「んー・・・とにかくお腹が減りましたww」

    俺「了解wwじゃあ俺がなんか作ろうか?イタリア料理ww」
    サトミ「パスタでしょww

    」俺「あれ?俺のパスタの美味さを知らない?京極さんが『こんな美味いパスタは初めてやー』って叫ぶよ」
    サトミ「京極さんww」

    俺「二人で美味いパスタ食べて、お酒を味わって、そして俺はサトミを味わうww」
    サトミ「・・・・・」
    俺「すみません・・・」


    こうして俺らは初めてのクリスマスを迎えましたww

    なんかねー・・・これからもサトミに苦労を掛けそうだわww



    180: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/10(木) 14:34:46.81 ID:FFZkgb.0

    以上です
    またね!!

    何か書いて欲しい物が有ったら言ってね
    書ける事と書けない事と有るけど・・・

    じゃあ!!!


    181: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/10(木) 14:38:24.35 ID:6rrAXAgo

    乙!
    福ちゃん仕事すげえなwwwwww


    182: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/10(木) 14:41:18.20 ID:bEdAGBAo

    福ちゃん乙ー
    あれ?竜也が活躍する話しのはずだったのに
    やっぱり福ちゃんのかっこよさが目立つwwwwww
    竜也涙目wwwwwwwwwwww


    183: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/10(木) 16:22:18.69 ID:N8A3C6AO

    乙!!
    季節的にもいい話だなwwwwww
    仕事面は板倉並に策士だwwwwwwwwww


    185: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/10(木) 17:06:51.35 ID:Xufajvk0

    福ちゃん乙です!
    心温まるいいお話聞かせてもらいました。
    俺は今年就活なんだが、福ちゃんのような仕事のできる社会人になれるのか不安だぜww


    206: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:24:57.78 ID:eP/VZcSO

    おはようございます
    新婚旅行はオーストラリアに成るかと思われます
    同棲はして無いですよ。基本は週末だけ一緒に過ごすだけ

    さて、今から人気No.1の人の話を投下しますね


    207: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:29:36.55 ID:eP/VZcSO

    少しスピンオフをしたくなった

    ~ダーティのニコ動の動画を見たら「消しゴム」の文字が多過ぎて「消しゴム」がゲシュタルト崩壊しました~



    「うっわー・・・マジで緊張してきた・・・」

    電車を降りるなり板倉は突然呟いた。

    俺「吐くなよ」
    板倉「お前じゃ無いから吐かない」
    森「福田君はマジで吐いたもんねー」
    俺「・・・吐いたなー・・・」

    俺らはそう言って駅から出て秋空の下、歩いていた。
    そして、板倉が急に立ち止まった。


    208: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:32:31.87 ID:eP/VZcSO

    板倉「てか、やっぱり・・・」
    俺「うん?」

    板倉「お前ら帰れ」
    俺「はあああああああ??????」
    森君「そう来ましたか」

    俺「いや、何言ってんの???お前がついて来いっつったじゃん!!!!」
    板倉「人間、心変わりをするもんだ」
    森君「あるある」
    俺「ねーよ!!!!」

    板倉「だって俺だけ落ちるとか嫌だもん!!!」
    俺「もう結果出てるからさっさとしろよ!!!」

    森君「ちゃんと落ちた瞬間の写真を撮ってあげるから」
    俺「落ちてんだwwwwww」


    209: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:34:33.30 ID:eP/VZcSO

    板倉はトボトボ歩き始めた。
    俺ら三人は板倉の大学合格発表を見に来ていた。

    ちなみに俺は推薦入試で、森君は指定校推薦で大学合格を決めていた。
    板倉も俺と同じく一般推薦入試で大学を受験していたのだ。

    俺の合格発表の時に、封書で合否が届くにも関わらず、板倉が
    「見に行こうぜww」
    と言い出したので見に行った。

    行きしなに俺は駅のトイレで吐いた。


    が・・・見事に合格!


    森君が撮った写真には笑顔の俺と何故か不服顔の板倉が写っている。


    210: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:36:35.49 ID:eP/VZcSO

    で、今日も平日にも関わらず学校を休んで(サボって)板倉の合格発表を見に来ていたのだ。

    板倉「俺様の華麗なる大学生活の始まりの瞬間を見せてやる!伝説の瞬間だぜ!!!」

    と言われて強引に連れられて来たのだった。

    大学の前に到着すると板倉は「うー・・・」と唸りだす。
    そして立ち止まった。

    板倉「この一歩は、ただの一歩かも知れない・・・だが、人類に取っては俺がこの大学に入る事によってこれから俺が独裁者としてこの国に君臨すると言う危機に晒される、だが、それはそれで・・・」
    俺「なげーよ」

    俺は後ろから板倉の尻を蹴って歩かせた。


    211: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:38:38.78 ID:eP/VZcSO

    板倉「痛いん!もう!乱暴なんだから!」
    俺「早くしろよ!お前が行かんなら先に俺が見に行く!」
    板倉「ヤメローーーー!!!!!」

    板倉はそう言って意を決したのか走り出した。
    俺と森君も後ろを追い掛ける。

    板倉は何やらブツブツ呟きながら走っていた。
    森君が何故かデジカメで板倉の後ろ姿を撮っている。
    俺も少し緊張し始めた・・・


    ・・・合格発表の掲示板の前に到着した時に板倉はジッと掲示板を見つめた。


    212: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:40:51.93 ID:eP/VZcSO

    俺の鼓動が高鳴りだした。

    俺「何番・・・?」

    カシャー。カシャー。

    森君が俺と板倉を交互に撮り始めた。
    何のドキュメンタリーだよ。
    その時板倉が目を見開く。

    板倉「あ・・・」
    俺「有ったか????!!!!!」

    カシャー。カシャー。

    板倉「・・・・・」

    板倉は無言で俺に受験票を渡して来た。
    俺がすぐに番号を確認する・・・

    カシャー。カシャー。


    213: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:43:17.13 ID:eP/VZcSO

    番号は110345だった。

    カシャー。

    110330・・・
    カシャー。

    110339・・・
    カシャー。


    110351・・・


    うわっ数字急に上がった・・・
    カシャー。

    板倉は白目を向いて立ち往生していた。

    俺「・・・・ドンマイ・・・」

    カシャー。カシャー。




    後で森君の写真を確認すると、後半は殆ど合格発表を見に来ていた可愛い女の子の盗撮写真であった・・・




    214: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:45:10.53 ID:eP/VZcSO

    冬休み前に俺ら三人は家路についていた。

    俺「森君、新刊なんか入った?」
    森「五冊位」

    流石はマンガ喫茶『森』。
    品揃えが良いぜ。

    俺「じゃあ今から行くか」
    森「おう」
    板倉「・・・お疲れ」

    板倉は暗い顔をしながら俺らに手を振る。
    俺と森君は顔を見合わせた。

    俺「てか、ちょっとだけ息抜きしたら?」
    森君「うん・・・たまにはねー」
    板倉「いえいえ・・・私は受験生なんで、家に帰って参考書を読みますんで、皆さんは漫画を読んで下さい」

    行きづれえ。


    215: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:47:20.81 ID:eP/VZcSO

    俺「あ、なんか後で差し入れ持って行くよ」
    森「うん・・・お菓子とかさ・・・」

    板倉は俺らを見ると「はー・・・」と溜め息をついた。

    板倉「あ、私ごときの様なウジムシ野郎に差し入れなんか滅相もございません・・・大学生に成られる方々が私の様なゴミ虫に近付くと馬鹿がうつりますので・・・近付かない方が・・・」

    なんだこの卑屈君は・・・

    そう言って板倉は家に帰って行った。


    216: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:49:06.25 ID:eP/VZcSO

    俺と森君二人で森君の家で漫画を読んでいると森君の携帯が鳴った。

    板倉だった。

    森君「はい」

    森君が出ると森君の携帯から声が漏れて来た。

    板倉「てか、お前らマジで一人にすんなよーーーー!!!!!!!」

    面倒臭い奴だ。

    森君「だってさっきは断ったじゃん」
    板倉「気持ち察しろよーーーー!!!!何年一緒に居るんだよーーー!!!」


    217: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:51:07.58 ID:eP/VZcSO

    俺は森君から携帯を奪った。

    俺「何が欲しいんだよ?買っててやるから・・・」
    板倉「それは聞かずに俺が欲しいモンを買って来い」

    どこのジャイアンだよコイツ。
    俺は溜め息をつく。

    俺「はいはい、じゃあアイスで良いか?」
    板倉「それはお前らで考えろ」

    面倒臭いなコイツ。

    俺「はいはい、じゃあ適当に買って行くよ」
    板倉「・・・ガリガリ君コーラ味の当たり付き・・・」
    俺「はあ?」

    ガチャ。ツーツー・・・
    切りやがった・・・

    森君「なんて?」
    俺「ガリガリ君のコーラ味の当たりを買って来いだって」
    森君「当たり・・・ね」



    218: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:52:56.60 ID:eP/VZcSO

    俺と森君は板倉の家に向かう途中でスーパーに寄って、ガリガリ君を三本買った。
    そして板倉の家に到着。
    板倉は出て来るや否や、

    板倉「おう・・・お前ら・・・どうした今日は?」

    そう言って涼しげな顔をする。

    俺「・・・お前、ややこしさ満載だな・・・」
    森君「殴りたい位のムカつく顔をしてるね」

    俺らは板倉の部屋に入り、アイスを食べる。

    板倉「おう、ガリガリ君か!流石はよく分かってるなお前ら!」
    俺「その演技に意味が有るのか?」
    森君「殴りたい位のムカつく演技だね」


    219: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:54:51.68 ID:eP/VZcSO

    板倉「ガリガリ君うめえ!!!」

    板倉はガリガリ君をガリガリ食べ出す。

    森君「うん、うまいね」

    森君も食べ始めた。
    俺は板倉の机に有る赤本を見た。

    俺「板倉、お前また同じ大学受けんの?」
    板倉「うん」
    俺「他は?」
    板倉「受けない」

    え?

    俺「なんで???!!!」

    俺の質問に板倉は少し遠い目をした。

    板倉「・・・そこに入りたい理由が有るんだよ・・・」
    俺「え?」

    板倉はガリガリ君を食べ終わり棒を確認する。
    勿論ハズレだった。

    板倉「チッ」そう言って棒をごみ箱に捨てた。


    220: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:56:19.99 ID:eP/VZcSO

    板倉「俺は小さい頃から喘息持ちだっただろ?」

    それは知っている。

    板倉「あの時はしんどくて、薬とか色々大変だったんだよ・・・」

    板倉はそう言って、二本目のガリガリ君を食べはじめる。

    板倉「その時に俺の担当医がさ・・・一生懸命俺を治してくれたんだよ・・・お陰で今は喘息の発作は出ないんだ・・・」

    そう板倉は語ると自嘲気味に笑う。
    そしてガリガリ君を食べた・・・





    221: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:58:08.55 ID:eP/VZcSO

    なるほど・・・
    が・・・


    俺「・・・お前、受けるの法学部じゃん・・・そして、それは俺のガリガリ君だ・・・」

    板倉「あ、これお前のww?ああwwwwwwそうなんかwwwwww」
    森君「えー・・・今の話の意味が全然分かんねー・・・」

    板倉「ああwwwwww大学???そこ、女の子多いし、有名じゃんww女にモテるだろwwwwww」


    222: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 08:59:11.54 ID:eP/VZcSO

    俺「今の話の時間返せよ・・・そしてガリガリ君も返せよ・・・」

    板倉は俺の言葉を無視してガリガリ君を平らげた。

    板倉「ああ、お前ら早く帰れ。勉強の邪魔だから」
    俺「どうしよう?俺、こんなに殺意が湧いたの始めてだわ」
    森君「良いんじゃない?やっちゃお!お母さんもゴミの処理出来て喜んでくれるよ」


    俺らは板倉を布団にくるんで蹴りを何発か入れて帰った。

    板倉は「痛い、痛い、ちょ、辞めて・・・」

    と叫んでいた・・・




    223: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 09:00:14.53 ID:eP/VZcSO

    とりあえず以上です!
    また続きを書いて投下しますね

    じゃあ!


    224: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/11(金) 09:07:57.32 ID:mLlRHAYo

    福ちゃん乙
    仕事がんばれよ~~~~~!!


    225: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/11(金) 09:18:07.31 ID:qZZx6N.o

    福ちゃん乙ー
    部長に見つかるなよwwwwwwww


    226: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/11(金) 15:40:36.70 ID:Nn0i8oDO

    乙です

    やばい
    めちゃくちゃ笑えるww


    227: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:21:04.63 ID:eP/VZcSO

    暇だから書き上がったわ
    投下しますね


    228: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:22:50.15 ID:eP/VZcSO

    冬休みに入り、俺は自堕落な生活を送っていた。

    大学に受かっていたので親も特に何も言わない。
    毎日、昼前に起きてタモさんと挨拶をして、森君の家で漫画を読んでいた。

    板倉は真面目に勉強している様なので邪魔をしない様にコチラからの連絡を避けた。

    が、大晦日の日に板倉から連絡があった。

    板倉「初詣じゃあああああ!!!!!」

    のっけから凄いテンションだったので俺は一旦電話を切った。


    229: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:24:29.18 ID:eP/VZcSO

    すぐに電話が鳴った。

    俺「・・・もしもし」
    板倉「あ、お疲れ様です・・・大学が決まって無いウジムシ板倉です・・・」
    俺「この数秒間でお前に何があった」

    板倉「いやー・・・あの、合格祈願の初詣に行こうと思うのですが、大学生様は私の様なゴミ虫の為に御一緒して貰う事は可能でしょうか・・・?」
    俺「それ辞めろ、なんか逆にムカつく」
    板倉「ははっー!」

    ムカつくなコイツ。


    230: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:26:12.43 ID:eP/VZcSO

    その晩、俺と板倉、森君三人で初詣に出掛けた。

    俺「くそー・・・カップル多いな大晦日の夜は」
    森君「だねー」
    板倉「さ、コチラでございます大学生様・・・」

    板倉が先に立ってヘコヘコしながら歩く。

    森君「あのキャラいつまで続けるんだろ?」
    俺「面倒臭いよな」

    そうこうしている内に神社に到着した。

    板倉「ここで合格祈願を願う所存でございます!」

    板倉はそう言って神社の鳥居をくぐり抜ける。


    231: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:27:50.36 ID:eP/VZcSO

    俺「ここって学業成就の神様なの?」
    森君「いや、確か縁結びの神様だよ」
    俺「えー・・・何、あの人・・・凄く馬鹿なんだけど・・・」

    森君「あれじゃない?大学に御縁が有ります様に、って感じ?」
    俺「うめえwwwwww」

    ・・・うん?
    縁結び・・・?

    俺はふと考えると、板倉が拝んでいる横に走って行き、一緒に並ぶ。


    232: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:29:34.69 ID:eP/VZcSO

    板倉「なんだお前は?」

    俺は板倉を無視してお賽銭を投げて、カランカランを鳴らした。

    神様!
    どうか・・・どうか・・・
    俺とあの子の縁を結んで下さい!!!
    お願いします!!!
    ホントにお願いします!!!

    俺はブツブツと唱えだした。

    板倉「大学生様は引っ込んどけよ!!!俺の御利益が減るだろうが!!!」

    なんで御利益の量が決まってんだよ。
    俺は無視してムニャムニャと願い事を唱える。


    233: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:31:28.94 ID:eP/VZcSO

    板倉「さて・・・おみくじを引くか・・・」

    俺はその言葉を聞いてハッ!と成る。

    そうだ、おみくじだ!!!

    俺は板倉を突き飛ばしおみくじ売り場に向かった。

    板倉「なんだよ、この大学生様は・・・」

    俺は渾身の力を振り絞り、祈った・・・

    神様・・・どうか・・・どうか・・・
    今年一年で・・・あの子と再会させて下さい・・・!
    願わくば・・・

    同じ大学に・・・!


    えい!!!!!!!!!


    俺はおみくじを引き・・・
    そして開けた・・・!


    234: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:33:09.59 ID:eP/VZcSO

    板倉「なんだ?なんだ?」
    森君「何が出たの?」

    二人は脇から覗き込む。
    俺の手の平に有る紙には



    『凶』



    と言う文字が有った・・・

    板倉「ぶははははははは!!!!!!!!凶wwwwwwwwwwww凶だwwwwwwwwwwお前去年も凶だったじゃんwwwwwwwwwwww」

    板倉が爆笑している。

    森君「凄いね・・・二年連続、凶ってのも、ある意味凄いよ・・・あ、近付かないで凶がうつるから」

    うつるか馬鹿。


    235: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:35:02.82 ID:eP/VZcSO

    板倉「凶wwwwwwww二年連続wwwwwwwwww」

    板倉が転がりながら笑い続ける。
    俺は板倉の前に立った。

    俺「・・・お前引け・・・」
    板倉「・・・え?」
    俺「去年、大凶だった・・・お前引け・・・!」

    ┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド・・・

    森君「おお!!!!これは凄い戦いだ・・・!」

    板倉はゆっくり立ち上がると「ふん!」と鼻で笑う。

    板倉「捻り潰して・・・やる!」
    俺「お前を・・・な・・・!」

    俺達二人の間に火花が散った。


    236: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:36:42.12 ID:eP/VZcSO

    板倉はゆっくりおみくじ売り場に向かう。
    そして深呼吸をした・・・

    板倉「ふう・・・」

    板倉はそのまま、おみくじの箱に手を入れて叫んだ。


    板倉「そりゃあああああああああ!!!!!!!」


    凄まじい『気』が周囲に飛び散る・・・!
    コイツ・・・!

    板倉はおみくじをゆっくり開いて行った・・・
    俺と森君もワクワクしながら文字を見た・・・




    237: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:38:06.51 ID:eP/VZcSO

    『吉』



    板倉「ぃやっほおおおおおおい!!!!!!」

    板倉は飛び上がりながらガッツポーズをしていた。

    板倉「見たかああああ!!!!俺の底力を!!!!!」

    俺と森君は顔を見合わせて溜め息をついた。

    板倉「・・・え?」

    板倉がキョトンとする。

    俺「てかさ・・・空気読もうか・・・板倉君・・・」
    森君「うん・・・ここは大凶引かないとダメな場面だろ・・・」


    238: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:39:38.38 ID:eP/VZcSO

    俺「しかも大吉ならまだしも、吉って・・・」
    森君「一番引いちゃいけないモン引いたよね・・・」

    板倉「え・・・だって・・・」

    俺「あーーあ・・・超つまんねえ新年だな・・・」
    森君「だねー一気に盛り下がったわ」

    俺らがそんな会話をしていると、板倉は突然叫んだ。

    板倉「むっきーーーー!!!!!!」

    そして、

    板倉「こんなモンこうしたらあああああああ!!!!!!!!!!」

    そう言っておみくじを真っ二つに破いた・・・


    239: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:40:49.54 ID:eP/VZcSO

    俺「おい!!!!」
    森君「それは流石にマズイぞ!!!!!」
    板倉「うっせぇぇぇぇ!!!!!だりゃあああああ!!!!!」

    バラバラに成ったおみくじは風に舞ってヒラヒラと舞い散った。

    俺「うわー・・・ドン引きだわ・・・」
    森君「勢いを出し過ぎた人間の末路だね・・・」

    板倉「うるせーーーー!!!!」

    そのまま俺ら三人は夜更けの神社で乱闘した・・・




    240: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:42:36.35 ID:eP/VZcSO

    年が明けてすぐに高校最後のテストが行われた。
    俺は無難にテストを終えたのだった。

    いつもの様に三人で帰宅する。

    森君「これで高校生活も終わりだねー」
    俺「いやー、後は二月の末の卒業式だけだなww」
    板倉「ブツブツ・・・」

    森君「色々有ったねー」
    俺「いや、まあ結構面白かったよww」
    板倉「ブツブツ・・・」

    森君「福田君、今日服買いに行かない?」
    俺「おういいぜww」
    板倉「うるせー!!!単語覚えれねーだろうが!!!!」

    板倉が単語帳を見ながらキレた。


    241: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:45:23.98 ID:eP/VZcSO

    板倉「なんだよ!!お前らさっきからウルセーよ!!!俺の高校生活はまだ終わってねーんだよ!!!」
    俺「まあまあ・・・」
    森君「落ち着けよ・・・」

    板倉「ああ!!!クソッ!!!卒業式には笑ってたい!!!」
    森君「あ、卒業式には合否出てるもんね」
    俺「受かってたら良いな」

    板倉「お前ら人ごとか!!!」
    俺「いや、人ごとだし・・・」


    242: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:47:11.04 ID:eP/VZcSO

    板倉「ちきしょー!!!!お前らのせいで、何か最近運が悪いんだよ!!!」
    森君「そりゃおみくじ破けばねー」

    板倉「ウルセー!!!!呪う!!!お前ら呪う!!!」
    俺「まあまあ落ち着けよ」
    森君「そうだよ浪人君」

    板倉「きゃああああああ!!!思い切りやがったコイツ!!!!!」
    俺「大丈夫、来年が有るから」
    板倉「今年が有るわい!!!!」


    ・・・・


    243: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:48:23.39 ID:eP/VZcSO

    二月に成り、寒い日々が続いた。
    俺と森君は何だかんだ言いながらも、板倉の家にコッソリ差し入れを持って行ったりした。

    そして、板倉の試験当日。
    俺は久しぶりに早く起きて本当の学業成就のお守りを板倉に持って行ってやった。

    板倉は調度家を出る前だった。

    俺「おっす」
    板倉「おっす」
    俺「体調はどう?」
    板倉「まあ、ぼちぼち・・・」

    俺は頷くとポケットからお守りを取り出す。
    そして板倉に渡した。


    244: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:53:05.16 ID:eP/VZcSO

    俺「とにかく・・・頑張れ・・・」
    板倉「・・・お前もかよ・・・」
    俺「え?」

    板倉はカバンから蓮根を取り出した。

    俺「何それ?」
    板倉「いや、森君が昨日、合格祈願で置いて行った」
    俺「何故に蓮根wwwwww」

    板倉「なんか知らんが、蓮根持って試験に臨むと受かるらしい・・・」
    俺「どこの密教だよwwwwwwww」
    板倉「嫌がらせかと思ったけど、森君の顔が真剣だったから受けとったwwww」

    俺は笑いが止まらなかった。


    俺「まあ・・・とにかく頑張れ!」
    板倉「ああ・・・!」


    板倉はそう言って入試に向かった・・・


    245: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:54:35.40 ID:eP/VZcSO

    二週間後、再び俺ら三人は板倉が受けた大学の駅に降り立った。

    板倉「ああー・・・緊張する・・・」
    俺「大丈夫だよ」
    森君「うん。受かってるって!」

    板倉「いや・・・でも、おみくじ破いたし・・・」
    俺「ああー・・・」
    森君「マズイよねー・・・」
    板倉「ええ???!!!」


    大学の前に立つと、板倉は再び何かを唱えだした。

    俺「何なの、その呪文」
    森君「まあ、好きにさせてやろうよww」

    長い呪文を唱え終わった板倉はゆっくりと歩き始めた・・・・


    246: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:56:58.30 ID:eP/VZcSO

    三寒四温で徐々に温かな日が出て来た。

    卒業式の日を迎えた俺は朝、いつもの様に家を出た。

    「おはよう」

    その声に振り返ると森君が立っている。

    俺「おはよう、今日で高校行くのも最後だなー」
    森君「だねー」

    俺らは高校に向かい歩いて行く。
    途中騒がしい奴と合流した。

    ソイツは先日から自分の事を

    「大学生様と呼べ」

    とうるさいww

    俺ら三人はいつもの様に学校へ向かった。


    247: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 16:58:27.57 ID:eP/VZcSO

    卒業式が始まり、なんやかんやと面倒臭い行事を終えて俺らは・・・


    まあ・・・卒業した。


    卒業式の後に、俺ら三人は別棟へ向かった。
    三年間ずっとお世話に成った場所だったからだ。

    板倉「いやー・・・今日で最後だな・・・」

    板倉がマットに座り呟く。

    森君「すき焼き・・・やったねww」
    板倉「やったwwやったww」

    二人は笑う。
    俺も笑った・・・


    248: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 17:00:15.54 ID:eP/VZcSO

    その時、なんか急に込み上げて来た・・・

    なんだ・・・?

    俺は喉の奥がグッと成るのを抑えて、二人を見た・・・

    そうか・・・
    これからは・・・




    コイツらと一緒じゃ無いんだ・・・




    そう思った瞬間、俺は目頭が熱くなった・・・

    なんで・・・
    なんでだよ・・・
    恥ずかしいだろうが・・・!

    泣くなよ!!!


    249: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 17:01:40.34 ID:eP/VZcSO

    俺はそう思うが色んな出来事がフラッシュバックされる。

    最初に板倉と出会った時・・・
    森君との出会い・・・
    中学の時の思い出・・・
    高校生活・・・
    あの海で過ごした日々・・・


    ダメだ・・・
    俺は涙を流した・・・
    泣いた・・・
    思い切り泣いた・・・


    ヤバい・・・
    二人が俺を見ているのがわかった。

    女子か!
    俺は女子か!
    そう思った時だった・・・・


    250: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 17:03:36.28 ID:eP/VZcSO

    グスッ・・・

    啜り上げる様な音が聞こえた。
    俺が顔を上げると・・・


    二人も泣いていた・・・


    板倉も森君も鼻を啜って泣いていた・・・
    二人も・・・
    同じ気持ちだったんだ・・・

    俺「・・・キメエ・・・お前ら・・・ww」
    板倉「・・・うっせー・・・お前が先に泣くからだろうが・・・」

    森君が泣きながら呟く。



    森君「・・・バラバラに成るんだな・・・」



    その言葉に俺は再び泣き出した。
    男三人で泣きじゃくっている・・・

    本当に気持ち悪いww


    251: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 17:06:20.42 ID:eP/VZcSO

    板倉「ああ・・・くそっ・・・!!!飲みに行くぞ!!!」

    板倉が叫んだ。

    俺「早速、大人発言ですかww」
    森君「まあ、まだ未成年なんだけどねww」
    板倉「良いじゃん!!!!どうせ俺達全員、クラスの飲み会誘われてねーんだから!!!」


    ・・・・あ。


    俺ら三人共顔を見合わせた。
    そして全員が思った・・・

    あれ・・・
    ひょっとして・・・
    これからも・・・

    俺「なあ・・・」
    板倉「言うな」
    俺「え?」
    森君「言わなくても・・・分かるから・・・てか、言わないで・・・」


    俺ら三人は・・・

    これからも・・・


    三人以外に友達・・・出来ないんだろうな・・・ww


    おしまい。


    252: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/11(金) 17:08:10.56 ID:eP/VZcSO

    以上です
    またねー

    今日は久しぶりに早く終わったからサトミは会社の人達とご飯に行くみたいだから、

    俺は一人で家で四川省をするんだ


    253: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/11(金) 17:09:56.00 ID:MyYM7kSO

    福ちゃん乙!

    面白かったわ


    257: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/11(金) 17:51:07.90 ID:aUbr9ts0

    福ちゃん乙!
    やっぱり板倉おもろいなww
    けど、中学から高校卒業まで三人一緒で、しかも社会人になった後にもつながりをもっているって結構すごいぞ。
    こういうのを一生の友達って言われんだろうな。
    正直そんな友達を持った福ちゃんは恵まれてると思うよww
    あぁ、俺もこういう友達欲しいな。
    特に板倉ww
    クリスマスは特にすることないから、福ちゃんがトラブらないように祈っとくわww


    269: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/12(土) 00:25:01.63 ID:2eLguKI0

    福ちゃん乙
    楽しませてもらったわww
    おまえらみんなイケメンすぐるwwwwww


    595: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 16:54:02.85 ID:aRDqzASO

    お疲れ様でーす
    唐突に投下しまーすww


    596: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/12/27(日) 16:55:16.63 ID:bJru0G2o

    キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!


    597: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 16:57:23.82 ID:aRDqzASO

    せいけんいちのすけ を さがす たびに でかけた おれたち。
    さてさて つぎに まちうける のは どんな ぼうけん なのか・・・


    598: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:00:14.32 ID:aRDqzASO

    この日本一周の旅行は人の優しさに触れる旅であった。

    青森では知らないお婆さんがリンゴを大量にくれたり、
    仙台では名物のタンを食べようとしたが、既にラストオーダーが終わっていたにも関わらず、
    遠くから来てくれた、と言う事でオーダーを聞いてくれて、尚且つ冷麺をサービスで頂いた。

    また、秋田でキリタンポを焼いてる屋台の前で物欲しげな表情を浮かべているとタダでくれたし、
    仙台のミニスカポリスの店では言えないサービスをしてくれたりもした。

    東北の人達は寒い場所なのに温かい人ばかりだったよww


    599: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:02:43.56 ID:aRDqzASO

    宮崎に向かう途中に東京に立ち寄った。
    ちなみに俺は生まれて初めての東京であった。

    俺らは興奮して都庁にエアガン撃ったり、皇居の前で板倉が
    「陛下ーーー!!!板倉です!!!板倉が陛下の為に馳せ参じましたー!!!!」
    と叫んだりした。

    そのまま高速に乗って一気に関西まで行こうとしたのだが、急に板倉が言った。

    板倉「渋谷にいかね?」
    俺「なんで?」
    板倉「ムフwwナ・ン・パ!」
    森君「地元じゃ全然引っ掛からないのに?」
    板倉「俺は都会が似合う男!この首都の空気は俺に合う!」

    よく分からないが俺達は板倉に促されるままナンパに向かった。


    600: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:04:34.25 ID:aRDqzASO

    初めて見た渋谷は凄く感動したのを覚えてる。
    「109」て本当に有ったんだ・・・
    何故かそんな事を思った。

    板倉が手当たり次第声を掛け始める。
    が・・・
    森君の言う通り地元で成功しない板倉の前に首都の壁は高かった。
    50人を越えた辺りで板倉は凹んだ。

    板倉「お前ら馬鹿ばっかだな!!!!ええ???バーカ!!!バーカ!!!」

    突然道行く女の子に向かって暴言を吐きはじめる。
    俺と森君は他人の振りをしていた。


    601: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:05:48.42 ID:aRDqzASO

    暴言を吐くのにも飽きた板倉は次に俺達の方を向く。

    板倉「お前ら気合い入ってる???気合いが無いとナンパなんか成功しないよ???分かってる???」

    俺らが悪いんかよ。

    俺「いや・・・あんまり・・・」
    板倉「じゃあ、お前のせいだ!!!」

    えー・・・何なのこの人・・・

    俺らは文句タラタラの板倉を連れて車に乗り込み東京を後にした・・・


    602: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:07:09.94 ID:aRDqzASO

    一気に関西まで来た俺達は神戸で六甲山に登ったり、甲子園球場に行ったりした。

    甲子園球場の前で俺達は感慨深げに蔦に触り呟いた。

    板倉「あの夏は・・・熱かったな・・・」
    森君「そうだな・・・あの最後の打球が・・・もう少し逸れてたらな・・・」

    あ、そう言う遊びね。
    俺も乗った。

    俺「あの日、俺の肩の痛みが無けりゃな・・・」

    俺がそう言うと板倉と森君が俺を見た。


    603: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:08:41.07 ID:aRDqzASO

    板倉「違う」
    俺「え?」
    森君「福田君はアルプススタンドでメガホン持ってた役だよ」
    俺「は?」

    板倉「常に練習中に逃げようとして俺らに見つかるんだよ」
    俺「あん?」

    森君「そして『違うでヤンス!盲腸が痛いでヤンス!』と言い訳するんだよ」
    俺「・・・・」

    板倉「そして、『自分の前世は豚でヤンス、お願いします、豚を・・・』ムゴッ」

    俺は板倉にヘッドロックをした。

    俺「誰が豚だああああああ!!!!!!てか、ちょいちょい下っ端の言葉遣い辞めろぉぉぉぉ!!!!!」
    森「違う、『辞めろでヤンス』だろ」
    俺「うるせぇぇぇぇ!!!!!!!!」

    高校生の聖地の前で俺らは暴れた。


    604: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:10:16.60 ID:aRDqzASO

    関西を後にして俺らは広島に入った。
    原爆ドームに普通に観光に行ったが、途中から感傷に浸った。

    俺「てかさ、原爆の放射能ってずっと消えないんじゃ無いの?」
    森君「だよね、じゃあまだ残ってんのかな?」
    板倉「いや、残ってたら広島市民は被曝してるじゃん」

    俺「いきなり普通に暮らしてたら原爆落とされて何が有ったか分からんまま死ぬのは嫌だよね」
    森君「だよね、アメリカ酷いよな」
    板倉「やっぱ戦争は嫌だなぁ、戦闘機で闘ったりはカッコイイけど・・・何もせずにただ原爆で死ぬのはやり切れんな」

    と、俺らみたいな馬鹿でも少し感慨深い物が有ったよ。

    まあ、一時間後には広島焼ウメエwwwwwwと叫んでたんだが・・・


    605: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:12:26.76 ID:aRDqzASO

    広島を過ぎて福岡に入る頃、俺らは疲れていた。
    車中も黙って寝ている事が増えた。

    板倉「なあ・・・」

    九州に入って国道を走り渋滞に巻き込まれていた時に板倉が言う。

    俺「うん?」

    運転を俺がしていて俺もタバコの吸い過ぎで気分が悪かった。

    板倉「・・・俺らなんで九州に居るの・・・?」

    森君は後部席で寝ていた。

    俺「・・・なんでだっけ・・・?」

    俺も疲れていた。
    長いRPGをした時に冒険の目的を忘れた事に似ていた。


    606: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:14:35.47 ID:aRDqzASO

    板倉「・・・帰る?」

    板倉の一言に突っ込む元気も気力も無かった。

    俺「限りなく帰りたいが、帰ったら負けた気がする」
    板倉「・・・いや~・・・ここはこのまま帰った方が勝ちの気がする・・・」
    俺「え・・・?それ、ボケてんの?」
    板倉「微妙」
    俺「あ、そう・・・」

    ダラダラと夕方の国道を走る。

    森君「・・・もうすぐ福岡だから・・・とりあえず博多ラーメン食いたい」

    いつの間にか起きた森君がそう言った。

    俺「じゃあ、とりあえず・・・博多に行くか・・・」
    板倉「まあな、ラーメン食うか・・・」

    俺らは博多に向かった。


    607: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:15:35.88 ID:aRDqzASO

    博多に入り屋台とかを見ると俺らのテンションが戻る。

    板倉「ラーメン!!!!どれ????どこで食う???」
    俺「ガイド本!!!!コンビニ行ってガイド本見よう!!!!」
    森君「違う!!!!こう言うのは匂いで感じるんだよ!!!!」

    俺らはハシャギながら一件の屋台でラーメンを食べた。
    メチャウマwwww何、この旨さwwwwww

    そのまま俺らは夜の博多の街を歩く


    608: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:17:49.75 ID:aRDqzASO

    すると妖しい街に入った。
    客引きのオッサンが俺らに声を掛けて来る。

    ちなみに俺らは・・・

    溜まっていた。
    凄く溜まっていたww

    板倉「なあ・・・」
    森君「うん・・・」
    俺「まあ・・・」

    俺らは皆まで言わなくてもアイコンタクトで分かった。

    まるで静岡大会決勝戦で掛川がアイコンタクトだけでフラッシュパスをした時の様に全てを分かり合えた。


    609: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:19:27.72 ID:aRDqzASO

    ゴール前でノーマークでボールが転がって来たかの様に、一人の客引きのオッサンが俺らに近付いて来る。

    オッサン「40分7000円だよ」(九州弁で言われたが覚えて無いので)
    板倉「ほう」
    森君「可愛い子居るの?」

    森君が鼻息荒く聞いた。

    オッサン「可愛い子しかいないよ、好み言ってくれたら付けるし」

    俺は生唾を飲んだ。

    俺「写真見たい」
    オッサン「良いよww」

    そう言ってオッサンが写真を出して来た。


    610: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:20:41.53 ID:aRDqzASO

    写真を見ると可愛い子ばかりだ。
    俺らの理性の糸がプチンと切れた。

    板倉「え???どこまで???ねえ???」

    板倉が焦った様に聞く。

    オッサン「一応、7000円じゃ触るだけだけど、後、2000円追加したら・・・」

    そう言ってオッサンが口でするジェスチャーをした。

    9000円か・・・

    俺らが難色を示す。
    40分9000円は安いが余り金を使いたく無い。


    611: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:22:04.84 ID:aRDqzASO

    乗り気が失せかけていた俺らを見てオッサンが
    「よし!」
    と言った。

    オッサン「良いよ!7000円だけで!!特別サービスだ!!!」

    オッサンの一言に俺らは・・・
    落ちた。

    写真で女の子を指名した。
    「本来は指名料も貰うけどサービスね!」
    オッサンがニヤリと笑い言う。

    俺は・・・
    まあ、サトミに似た子を選んだんだよww
    うん。まあ、キモいよねww


    612: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:23:22.90 ID:aRDqzASO

    俺らは興奮しながら店内に入る・・・
    が、なんか妙に・・・暗い・・・
    そして、客が全然いない・・・
    怪しい・・・
    怪し過ぎる。

    変だな、そう思いながらも俺らはバラバラに座らされて、
    尚且つ興奮して冷静に判断出来ない事も有り、
    ワクテカしながら女の子を待つ。

    ウフッww
    写真で見る限り、メッチャ可愛かったなww

    そんな事を思っていると最初に板倉が座る席に女の子が来た。


    613: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:25:08.76 ID:aRDqzASO

    暗がりで見えなかったがスタイルが良くて服の露出感が素晴らしい。
    次に森君の所に女の子。
    この子も中々スタイルが良い。

    クソッ、羨ましいなおい。

    俺はそう思いながら女の子を待った。
    後ろから「ケイコちゃん、1番ボックス」と言う様な声が聞こえる。

    キタ!!!!
    俺の所だ!!!
    サトミみたいな感じの子・・・
    頼む!!!

    俺は慌てた素振りを見せずにタバコを燻らしながら余裕をこいてた。
    すると足音が聞こえて来る。

    ドスン、ドスン、ドスン・・・

    え?ドスン?
    俺が気になり後ろを見ると、そこには・・・




    ホンジャマカの石塚がいた・・・






    614: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:26:31.24 ID:aRDqzASO

    石塚は俺にオシボリを渡すと
    「どこから来たの?」
    とか
    「いくつ?」
    とか質問し始める。
    俺は既に放心状態であった。

    え?何これ。
    俺はサトミを呼んだ筈。
    なんで石塚が来たの?

    石塚「ねえ、飲み物頼んで良い?」

    石塚がそう言って俺に擦り寄る。

    俺「ゴメン・・・お金無いんだ・・・」

    俺は飲み物なんか頼んで金をこれ以上使いたく無かった。


    615: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:28:29.01 ID:aRDqzASO

    俺の性欲は限界に来ており、正直石塚でも抜くなら構わない、
    そう思っていた。

    俺が石塚のオッパイに触る。
    なんか悲しくなっていた。
    だが、石塚は俺の手を弾く。

    え?

    石塚「飲み物頼まないと触らせない」

    何この精神的凌辱プレイ。
    俺、そんなオプションは頼んで無いんだけど。

    俺はそれでも笑顔で言った。

    俺「いやいやwwさっき前のオジサンに金払ったしww」
    石塚「あ、あのお金は飲むだけの金額だよ」

    は?

    石塚「これ以上するなら飲み物頼まないとww」

    石塚がブヒブヒとそう言う。


    616: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:30:42.17 ID:aRDqzASO

    はあああああああ?????!!!!
    こんだけ虚仮にされて、飲み物って!!!!!!
    ふざけんな!!!!!

    俺「え?飲み物いくらかな?」

    俺、超ヨエー。

    石塚「あ、ビールで7000円ww」

    どこのインフレ国家だよ。

    俺「いやいやww・・・・マジ?」
    石塚「うんww」
    俺「ええー・・・」

    俺は迷った。
    俺はこの石塚に14000円を払い抜いて貰うのか?
    マジで?

    石塚を見る。
    スゲエムカつく顔で俺を見ている。
    悲しい。

    俺は一体、福岡まで来て何をしてるんだ・・・
    そう思うと凄い凹んだ。

    俺「あ・・・もう帰ります・・・」
    石塚「お客様お帰りでーす!!!!」


    深い悲しさに苛まれて店を出る最中に見たのは板倉が女の子に土下座をしている映像だった・・・


    617: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/27(日) 17:32:04.31 ID:aRDqzASO

    書き溜めは以上です
    また続きを投下します

    まあ、今回は青春時代に付き物のほろ苦い思い出でした・・・


    691: 福田 ◆RzEettbBGE 2009/12/31(木) 19:51:12.19 ID:nL5/ZISO

    良いお歳を


    692: 以下、2010年まであと14845秒。。。 2009/12/31(木) 19:52:36.59 ID:57XRfBMo

    よいお年を!!!


    695: 以下、2010年まであと13047秒。。。 2009/12/31(木) 20:22:34.64 ID:Mibn7.Uo


     よ い お と し を !


    706: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/01(金) 00:46:21.89 ID:gfZAO9wo

    福田愛してる!

    あけおめ!


    708: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/01(金) 04:10:17.84 ID:LvF1kMAO

    福田とおまいらが幸せになれる年に!


    710: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/01(金) 11:33:38.68 ID:uptT.ISO

    明けましておめでとうございます
    今実家なんです
    昨晩遅くの新幹線で戻って来ました

    先に実家に帰っていたサトミが昼から、新年の挨拶に来る

    早くも弟が緊張してる
    さっきから、何故か台所とリビングの間で手を前に組んで佇んでる

    ずっと虚空を見てるんだが、コイツ大丈夫か?


    711: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/01(金) 12:28:51.33 ID:8u2f8UDO

    >>710
    福ちゃん、あけおめことよろー
    弟がんがれっ!wwwwww


    714: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/01(金) 13:30:04.48 ID:iFCkjmo0

    >>710
    あけおめことよろー
    弟はちっとも成長しないなwwww
    バケツ用意しといた方がいいぞwwww


    759: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/06(水) 09:10:53.46 ID:0s0TiISO

    おはようございます。
    続きを投下しますが、一番盛り上がった場面は終わったので、最後の顛末だけ投下します。


    760: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/06(水) 09:12:24.87 ID:0s0TiISO

    福岡を後にして俺達は宮崎を目指した。

    あのお店を出ると既に森君は外にいた。
    森君もキレて何もせずに店を出たそうだ。

    だが、板倉は俺らが外に出て15分後にベルトをガチャガチャしながら出て来た。
    彼はお金を払わずに土下座で頼み込み女の子に手でして貰ったらしい。

    恐るべしプライド。
    ある意味勝ち組だよ。


    761: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/06(水) 09:15:26.10 ID:0s0TiISO

    そのまま俺ら三人は勢いが出て来て夜通しかけて板倉の祖父さんの家に到着した。

    そして蔵を探したが刀は出て来なかった。
    まあ、正直、その頃はどうでも良かったよ、刀の事は。

    板倉の婆ちゃんが次いでに蔵の掃除をしてくれ、と言う事で俺らは蔵の掃除をしたんだ。

    掃除を始めて5時間経過した頃に怖そうな日本人形を発見。
    異様に髪が長くて汚れていて怖かったが俺らは既に壊れていた。
    何故かそれを見て爆笑した。

    今考えると怖い。
    その後、板倉の婆ちゃんの家で一泊した後に俺らは帰途に着いた。

    おしまい。

    最後は流してスマン
    ただ、特に面白いエピソードも無かったのだよ


    762: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/06(水) 09:19:32.70 ID:0s0TiISO

    尻つぼみに成ったので、正月の話を書こうと思います

    また、仕事の合間に書きますので、お待ち下さい
    じゃーね!


    763: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/06(水) 09:55:18.52 ID:OOt06Aso

    福田乙
    仕事頑張れ


    764: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/06(水) 10:38:05.83 ID:CizwEUso

    仕事もあまり無茶しすぎるなよ!
    休めるときにしっかり休んでおけ


    837: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:18:09.55 ID:LCAdFASO

    おはようございます。
    お待たせしました投下します


    838: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:21:15.10 ID:LCAdFASO

    12月に入り俺の仕事は忙しくなる。
    急遽に入る仕事が増えるからだ。
    そんな忙しい最中の数少ない休みを俺はサトミと過ごしていた。

    サトミ「年末いつまでお仕事?」
    俺「分からんけど、例年から言えば30日位までは現場が入るな」
    サトミ「お正月にさ、どちらの実家にも挨拶に行った方が良いと思うんです」
    俺「ですね」

    サトミ「どうしよう?新幹線の切符とか・・・早めに取らないと指定席は埋まるんじゃ無い?」
    俺「でも、仕事がいつまでか分からんのよねー」
    サトミ「うーん・・・」

    結局、サトミは年末に先に帰らせて俺は一人で実家に帰る事に成った。


    839: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:22:55.79 ID:LCAdFASO

    仕事はガンガンに入って来る。
    嬉しい悲鳴なのだが、とにかく数をこなすのが大変だ。

    作業員の手だけでは事足りない為に、俺ら営業も現場に駆り出される。
    夜中に現場に出て、昼間は昼間で本来の仕事をしなければ成らない。

    下請けに振ろうにも、下請けは下請けで仕事が埋まっているので不可能だ。

    この仕事のね、何が面倒臭いってね。
    鍵の受け渡しが面倒なのよ。


    840: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:25:09.55 ID:LCAdFASO

    一応、御信頼頂いてるお客さんからはスペアキーを会社で預かってるんだけどさ。
    お客さんによっては毎回取りに来て欲しいと言う方もいる。
    鍵の受領証云々の関係で作業員に鍵の受け渡しをさせる事が難しい。

    だから俺達営業が行く事に成るんだよ。
    それが大変なのよ。
    地味に。

    因みに俺は30日の朝に現場終わりに、そのままお客さんの所に鍵を返しに行ったんだ。
    そこはと有るショップで女の従業員が多い。

    しかも制服がミニスカww
    俺は意識朦朧と成りながらも車を走らせ、その客先にむかった。


    841: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:32:31.97 ID:LCAdFASO

    客先はオープン前で正面が開いてない。
    なので裏口に向かう。

    すると従業員の可愛い女の子がオープン前の清掃をしてたんだ。
    窓を拭いてたんだけどね。
    しゃがんで窓を拭いてたので・・・

    パンツ丸見えww

    疲れてたらさ・・・性欲が高まるじゃん?
    オッキしました。

    ヤバい。
    静まれ!

    と思っても俺の息子は女の子のパンツに対して最敬礼。
    俺は前屈みに成りながら裏口から客先に入った。

    従業員の女の子が「あ、福田さんww・・・・どうしたの?」
    そう聞いて来る。


    842: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:34:17.24 ID:LCAdFASO

    俺「あ、いやちょっとお腹が痛くて・・・」
    女の子「え?大丈夫ですか?トイレ行きます?」
    俺「あ、嫌々!!!大丈夫です!!!すぐに治まります!!!」
    女の子「え・・・でも・・・」

    まあね。
    腹の辺りを押さえながら前屈みに成ってたら限界が近いと誰でも思うわな。

    従業員の女の子がしきりにトイレに促すので、俺はとりあえず治まるまでトイレに居ようと思いトイレに入った。
    トイレに入ったが俺の息子は最敬礼を辞めない。


    843: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:36:26.83 ID:LCAdFASO

    俺は何と無くトイレの鏡の前に立ち、チャックを下ろして息子を取り出してみた。

    スーツの社会の窓から最敬礼の息子を出して佇む社会人。
    なんか色んな意味で壊れて来た。

    小さな声で「直れ」と言ってみる。
    が、息子は最敬礼を辞めない。
    壊れた俺の頭は、自分の姿に吹いた。

    だが、客先で下痢便をしながら笑う会社員は超ヤバい。
    笑い声を聞かれたらマジで気違いかと思われる。

    笑いを堪えるが、その笑っては行けない雰囲気に更に笑えてしまう。


    844: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:38:03.50 ID:LCAdFASO

    最終的に
    「ブホッ!!!」
    と言う吹いた声と共に鼻水が出て、その姿が鏡に映り俺は一人トイレで爆笑してしまった。

    思い切って爆笑した後は息子は平常に戻り、笑いも治まり、俺は鼻水を拭いて冷静な顔でトイレから出た。
    トイレから出ると店の従業員達は俺の姿を見ると、すぐに目を逸らす。

    俺も言い訳が面倒臭くなり挨拶をして帰った。

    だが、帰りの車の中で先程の失態を思い出し
    「ああああああああああ!!!!!!」
    と叫びながら帰ったのだった。

    絶対ヤバい奴だと思われてるよね・・・


    845: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:39:42.98 ID:LCAdFASO

    翌日31日最後の現場の立ち会いをする。
    サトミは29日に実家に帰った。

    現場で立ち会いの最中に俺が年賀状を忘れていた事を悔やんでいると入口から
    「お疲れっす!!!」
    と言う威勢の良い声が響いた。

    そこにはマイスイートハニーの弟が何故かレジ袋に缶コーヒーを入れて立っている。

    俺「おう、お疲れ・・・どうした?」
    竜也「僕の現場が終わったので来ましたwwはい、差し入れっス」

    竜也はそう言って缶コーヒーを作業員に配る。
    中々気が利くじゃないの。


    846: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:41:38.48 ID:LCAdFASO

    俺「お前も暇だな、終わったら早く帰れば良いのに」
    竜也「え?」

    竜也が怪訝な顔で俺を見る。

    俺「うん?」
    竜也「いや、一緒に帰るんですよね?」
    俺「あ・・・」

    思い出した。
    そう言えばサトミから竜也と一緒に帰る様に言われてた・・・

    俺「あ、ああ・・・そうだね・・・」
    竜也「え・・・?なんすか、その微妙な忘れてた感じの反応は」

    俺「正直・・・忘れてた・・・」
    竜也「マジっすか!!!勘弁して下さいよ!!!」
    俺「いや、お前のそもそもの存在自体を」
    竜也「いや、なんか凹むんで辞めて下さい・・・」


    847: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:43:36.11 ID:LCAdFASO

    俺らは仕事を終えると一旦家に帰り荷物を纏めて新幹線の駅で待ち合わせる。
    大晦日の最終に近い新幹線は比較的空いていた。

    竜也「座席空いてますかね?」
    俺「お前は乗ったら一目散に座席にダイブしろよ」
    竜也「お任せあれ!」

    俺はジョークで言ったのに竜也はマジでダイブしやがった。
    社会人にも成ってコイツは何をしてるんだよ。

    竜也「福田さん!福田さん!駅弁は???駅弁は???」

    興奮し過ぎだよコイツ。

    俺「美味い奴買ってこい」

    俺はそう言って竜也に金を渡した。


    848: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:45:39.09 ID:LCAdFASO

    竜也がホームに立って駅弁を買っている。
    今出発したら最高に面白いのにな・・・

    そうワクテカしながら待ったが残念ながらギリギリ竜也は駅弁を手にニコニコしながら帰って来た。

    俺「チッ」
    竜也「え?」
    俺「あ、いやサンキュー」

    そう言って竜也から駅弁を受け取る。
    出発まで残り一分。
    俺は見たかった。

    竜也がホームで焦りながら俺が乗る新幹線を追い掛ける姿を。

    俺「竜也」
    竜也「はい」
    俺「ビール・・・飲みたくない?」
    竜也「ああww良いっすねww」
    俺「買って来て」

    俺は竜也に千円札を差し出す。


    849: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:47:56.35 ID:LCAdFASO

    竜也「ええっと・・・自販機は何両目に・・・」
    俺「嫌々、有るじゃん・・・目の前に」

    俺はそう言って窓の外に写る売店を指差した。
    竜也は目をパチクリさせると首を振る。

    竜也「嫌々・・・無いっす!無理っす!!!」
    俺「大丈夫だって!後5分位時間有るから!」
    竜也「無いっすよ!!!あと1分無いっすよ!!!」

    俺「いや、さっき運転手がレバーを持つ手が震えるから5分待って欲しいと言うアナウンスが有ったんだよ」
    竜也「代わって!!!もう運転手頑張らなくて良いから!!!」

    そうこう言う内に発車ベルが鳴りドアがしまった。


    850: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:57:16.59 ID:LCAdFASO

    竜也「あぶな!!!危なかった!!!」
    俺「マジつまんね」
    竜也「嫌々!!!アンタ鬼だ!!!」

    俺らは新幹線に揺られて一路実家に向かった。
    車中で俺は年賀状を書く作業を行う。

    竜也はビールを二本飲んで寝息を立てていた。

    俺は竜也宛の年賀状をそっと竜也の鞄に忍ばせた。
    もちろん裏には「Merry X'mas」と書いて。


    851: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 08:59:05.36 ID:LCAdFASO

    書き終える頃にサトミからメールが来た。

    「明けましておめでとう」

    え?
    時計を見ると時刻は新年を迎えていた。

    まさか新幹線で新年を迎えるとは思わなかったよ。
    窓の外に流れる新年の夜空を見ながら俺は思った。

    サトミに返信を送る。

    「去年は俺のプロポーズを受けてくれてありがとう。絶対に幸せにするから」

    そうニヤニヤしながら送るとサトミから返信が来た。

    「二人で幸せになりましょう」

    俺は既に幸せな気分で一杯であった。
    中学生の頃から好きだった女の子と結婚が出来る・・・
    なんて幸せなんだよ・・・ww


    852: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 09:00:46.00 ID:LCAdFASO

    が、隣の竜也のイビキがウルサイ。
    雰囲気ぶち壊しだなコイツ。

    調度新幹線は俺の地元に到着した。
    竜也はまだもう二駅乗らないといけない。
    俺は竜也を起こそうとしたが・・・

    このまま眠り続けて目が覚めたら終点に居る竜也も絵に成るな・・・

    俺は竜也に最高の新年をプレゼントしてあげたかったんだよ。
    俺は細心の注意を払いそっと駅に降り立つ。


    853: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 09:02:00.78 ID:LCAdFASO

    ホームから車内を見ると心地好い眠りに包まれている竜也の姿が見えた。

    「グッドラック・・・!」

    俺はそう呟くと・・・
    新年早々笑いを堪えながらホームを走り改札へと向かっていった。

    ヤバい!!!
    あの調子なら確実に博多に行く!!!
    博多駅で明太子買って帰って貰おう!!!
    帰りどうすんの???
    新幹線もう無いよ!!!

    俺は我慢できずに改札を抜けた所で吹き出した。


    854: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 09:03:52.88 ID:LCAdFASO

    まあ、流石に5分後に竜也に電話をして起こしたけど。

    俺も甘いな。
    板倉なら確実に博多送りにしてる。

    まあ、そんな感じで俺の新年は明けました。



    とりあえず続きはまた書いて投下します

    じゃね


    856: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/08(金) 09:27:45.60 ID:EZq1dvEo

    ひでぇwwww


    857: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/08(金) 09:58:55.40 ID:cnxVVEAO

    ナイスコンビだwww
    福ちゃんのレベルが上がってるwww


    873: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:28:34.86 ID:LCAdFASO

    続きを投下しますね


    874: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:29:33.75 ID:LCAdFASO

    元日の朝に強引に母親に起こされた俺はリビングに向かった。

    リビングでは父親が元日定番のお笑い番組を見ながら笑っている。
    母親は再び見た事も無いきらびやかな服で台所でお節料理の準備をしている。
    弟は青い顔をしながら台所とリビングの狭間に佇んでいた。


    875: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:31:10.57 ID:LCAdFASO

    昨夜、俺が家に帰って来た時、家では新年早々の深夜に関わらず、模様替えの真っ最中であった。
    どうやら母親が
    「若い女の子はこんな家は気に入らない」
    と言い出して、色んな位置やら模様を紅白そっちのけで変更していたらしい。
    俺は家に帰るなり手伝わされて結局眠ったのは朝の4時に近かった。

    俺は新聞を取り台所のテーブルに座る。

    俺「母ちゃん朝飯」
    母親「うるさい!!!」

    新年早々怒鳴られた。


    876: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:32:31.81 ID:LCAdFASO

    俺は置物と化した弟に声をかけた。

    俺「なあ、何してんの?」

    弟は俺の質問に答えずテレビを見る様な表情で目の前の俺が修学旅行で買ったペナントを見ていた。
    何が楽しいんだコイツは。

    俺「なあ、母ちゃんなんか食い物無いの?」
    母親「ケロッグ有るから勝手に食べて!!!」

    俺の記憶では元日の朝は雑煮の筈なんだが・・・

    俺は仕方なくチョコワを皿に入れて牛乳をかける。


    877: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:34:12.77 ID:LCAdFASO

    俺は相変わらずペナントを眺めている弟に声をかける。

    俺「なあ、チョコワ食べる?」

    弟は俺をチラリと見ると黙って溜め息をついた。
    えー・・・何、その反応・・・

    俺が新聞を見ながらチョコワを食べていると弟が俺の前の席に座る。

    弟「なあ」

    弟が青い顔で俺を見る。

    俺「うん?」
    弟「なんて・・・呼んだら良いかな・・・?」
    俺「・・・兄ちゃんでも・・・兄貴でも・・・どっちでも」
    弟「兄ちゃんの事じゃねーよ!!!!サトミさんだよ!!!!」

    弟が珍しく怒鳴った。


    878: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:35:34.43 ID:LCAdFASO

    弟「お義姉さん???それともサトミさん???ねえ???どっちだよ???」
    俺「・・・サトミちゃんでも・・・」
    弟「無理!!!俺はそんなフランクな関係無理!!!いやああああ!!!!どーしよ!!!」

    俺「とりあえず、今はサトミさんで良いんじゃね?」
    弟「結婚してからずっとサトミさん???それって他人行儀じゃね???なんか可哀相じゃね???」

    俺「結婚したら義姉さんで良いじゃん」
    弟「いつだよ!!!いつ呼び変えるの???!!!結婚式???新婚旅行帰って来てから???いつだよーーー!!!!」

    凄い。
    こんな必死の弟は何年振りだろう?

    光ってる・・・コイツは今光ってるぜ・・・!


    879: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:37:10.31 ID:LCAdFASO

    一人で悩んでる弟を見ていると携帯が鳴った。
    メールだ。
    見るとサトミであった。

    「今○○です。予定通り12時位にお邪魔します」

    俺は返信する。

    「駅まで迎えに行くよ」
    「ちゃんと行けるから大丈夫です。ありがと」

    それだけ確認すると俺は、その旨を家族に伝えた。
    その瞬間に家族の戦闘能力が上がるのがスカウター無しでも分かった。

    母親「お父さん!!玄関に飾り付けて!!!」
    父親「おい!!!俺の勝負用の眼鏡はどこだ!!!」
    弟「飲み物はちゃんと買ってんの????買いに行く????」

    俺は我が家の状況に対応出来ずに一人部屋に戻った。


    880: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:38:40.37 ID:LCAdFASO

    ベッドに寝転がると・・・
    そのまま眠ってしまっていた。

    すると凄い形相をした母親が俺を起こしに来る。

    母親「何寝てるの!!!早く着替えなさい!!!!あと10分で来るよ!!!」

    俺はマジで怖かったのですぐに着替える。
    俺が着替えて髭を剃っているとインターフォンが鳴った。

    凄い緊張感が家中に走る。

    母親が慌てた様に玄関に向かい超よそ行きの声で言った。
    「ハーイwwwwwwいらっしゃいませーwwwwww」
    父親と弟も母親の後に付いて行った。


    881: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:40:57.67 ID:LCAdFASO

    玄関が開きサトミの声が聞こえる。

    サトミ「明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします」

    そしてウチの家族の声が響くが声が重なりゴニョコマニョして何を言ってるか分からない。

    廊下に家族とサトミが入りリビングに行く。
    俺も髭を剃り終わりリビングに向かった。
    すると、サトミが俺に気が付き笑顔に成った。

    サトミ「明けましておめでとうございますww」

    そう言ってペコリと俺に頭を下げる。
    俺も少し照れながら答えた。

    俺「あ、ども」

    その瞬間母親に頭を叩かれた。

    母親「ちゃんと挨拶も出来ないのか!!!アンタはいくつよ!!!」

    嫌々、彼女に挨拶するの照れるじゃない。
    しかも家族の前で。


    882: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:42:30.65 ID:LCAdFASO

    母親が料理の準備を始めたのでサトミも手伝いに行く。
    なんか良いねww

    サトミと結婚するんだ・・・

    そう言う実感が沸いたよ。
    料理の準備が出来て、皆で乾杯をして料理を食べた。

    サトミと母親がすっかり打ち解けていた。
    なんか夫に成る立場としては非常に嬉しい。
    父親も結構喋っている。

    だが弟だけは緊張が取れないらしく何故かずっと黒豆と蒲鉾しか食べない。
    俺が数の子を上げると
    「ありがとうございます・・・」
    と再び敬語。

    コイツはいつ慣れるんだよ。
    お節料理を食べ終わると俺とサトミは晩御飯まで散歩に出掛けた。


    883: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:44:07.67 ID:LCAdFASO

    俺達は出会った中学校に向かった・・・

    サトミ「うわっww懐かしいww」

    サトミが喜んだ。

    俺「懐いだろww俺も久しぶりだわww」

    二人で手を繋いで中学校の周りを歩いた。

    サトミ「ここで・・・出会ったんだよね・・・」
    俺「うん」

    俺らはそのまましばらく黙って歩いく。


    884: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:45:52.97 ID:LCAdFASO

    サトミ「ねえねえ」
    俺「うん?」

    サトミは俺を見ると繋いでいる手をギュッと強く握った。

    サトミ「結婚・・・・するんだね・・・私達・・・ww」

    サトミがそう言って笑う。

    俺「・・・だな」
    サトミ「凄い・・・凄い偶然が重なって・・・私達結婚するんだね・・・」
    俺「え・・・偶然?」

    俺はそう言ってサトミに笑いかけた。
    サトミも笑い返す。

    サトミ「違った・・・ww」
    俺「だろ・・・ww」
    サトミ「うん・・・ww」

    サトミは繋いでいる手を離して俺の左腕に自分の右腕を回した・・・

    そして俺を見上げる・・・





    「運命だ・・・ww」








    885: 福田 ◆RzEettbBGE 2010/01/08(金) 21:46:53.53 ID:LCAdFASO

    とりあえず以上です

    正月編はもうちょっとだけ続くんじゃ


    また投下しますね

    ノシ


    886: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/08(金) 21:47:39.54 ID:VssIc8oo

    >>885
    ごちそうさま


    887: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/08(金) 21:47:59.86 ID:QCVWp6DO



    最高っすww


    891: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/09(土) 00:29:28.16 ID:lHOa4.DO

    もう羨ましいな
    元気に
    老後まで幸せに


    893: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/09(土) 01:51:31.51 ID:ROWhOBIo

    弟大好きだわwwww


    894: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/09(土) 10:19:02.53 ID:BssvFEM0

    弟可愛いなwww


    1000: A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! 2010/01/12(火) 20:27:48.29 ID:ZsNFbF6o

    1000ならみんな幸せ


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